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織姫山~行道山 おりひめやま ぎょうどうさん 441.7m

関東平野の展望を楽しむ足利ハイキング

子供の頃から駆け遊んだ織姫山、両崖山、大岩山、行道山。大人になってからもそれぞれの山は足繁く登っていますが全山通して歩いたのは、はて何年ぶりでしょう。子供の頃は他を知りませんから山はこういうものだと思って特に魅力ある山とも感じずただの遊び場でしたが、チャートの露岩、赤松の尾根、関東平野の大展望、点在する旧蹟などたくさんの魅力を凝縮したハイキングコースであると大人になって改めて見直しました。人気の理由もわかります。
いつまでも続いた暑さもやっと収まって秋風が吹き始めたのに合わせたようにたくさんのハイカーがやってきていました。これからの季節、さらに賑わうことでしょう。

  行道山(石尊見晴らし)頂上       露岩が続く(鏡岩)
【日程】 2012年10月14日(こちら)
2018年9月9日
2019年9月28日(こちら)
2019年12月15日(こちら)
2020年3月29日(こちら)
【山域】 安蘇
【地図】 1/25000足利北部

【アクセス】
【駐車地】

スタート点は3カ所。
市街地からスタートなら織姫神社前交差点。階段向かいに駐車場があります。満車なら西に少し進むとさいこうふれあいセンター にも駐車場があります。登山者はこちらに。
織姫神社、織姫公園からスタートなら足利市役所脇を北へ向かい300mほどで体育館前を左折、変則交差点を通って狭い坂道を上り足利工大附属高校の裏手に回ります。分岐があったら直進が織姫神社駐車場、右に入れば織姫公園駐車場。

電車ならば東武伊勢崎線足利市駅から歩いて織姫神社下まで渡良瀬橋を通って20分ほどです。
おすすめはこの市街地から石段を登るコースです。
【コース】
2012他
織姫公園 - 鏡岩 - 両崖山 - 林道横断
- 最勝寺車道 - 車道終点駐車場 - 大岩山
- 石尊見晴らし(往復)

2019-12-15 , 2020-3-29
大岩山車道終点駐車場 - 剣が峰 - 石尊見晴らし
- 寝釈迦(往復) - 剣が峰 - 野山(往復)

全行程 4.5時間
【メモ】
2012年10月14日
スタートは織姫公園:
織姫公園からスタート
 

足利は関東平野が尽きて山地が始まるそのどん詰まりに位置していますから街は山の隙間に詰め込んだような格好で、市街地のど真ん中にもっこり山が盛り上がったりしています。
織姫山はそんな典型の山でハイキングコースも市街地から始まります。ですから電車で来て駅から歩いてもさほど不便ではありません。
織姫公園は織姫山(月見が丘)一帯に広がる公園で市民の散歩コースやランニングコースとして親しまれています。
今回はちょっと横着して織姫公園まで車で上がってからスタートです。
いくつか駐車場がありますからどれかに停めて北側の高みへ向けてスタートします。最初は公園内の舗装道を登りますが最上段の鏡岩南広場から山道となります。いきなりチャートの露岩を登ります。一登りで鏡岩、関東平野の展望が広がっています。
さらに一登りで鏡岩展望広場、東側の展望が得られます。眼下に山間いに押し込められたような足利北部の市街地を見下ろし、その先に大坊山、大小山の山塊を見ることができます。
ここから本格的な山道となります。両崖山まではほぼチャートの露岩と赤松の道が続きます。広大な関東平野を振り返り見ながら徐々に高度を上げていきます。
途中露岩の上にテラス風の休憩所があり展望が楽しめます。この先すぐに両崖山の頂上ですがむしろこちらの方が明るく展望もあり休憩するにはいいかもしれません。
両崖山タブノキ自生地
 

両崖山は足利城跡:
展望テラスのすぐ先には城跡の堀切があります。その先わずかで石段が現れそれを登ると両崖山の頂上です。御岳神社などいくつかの祠がありますがこの場所はもともとは神社ではなく足利城のあった城跡です。周囲には空堀など城郭の名残が多くあります。
周辺にある巨木群はタブノキで、自生地としてここは北限に近いということです。このタブノキのためか頂上部は鬱蒼として薄暗くあまり休憩には向いていないような気がします。

大岩山までの縦走:
両崖山頂上から急坂を下るとはっきりとした堀切があります。この堀切には石垣も見られます。(築城時のものかどうかは知りません。)
この先、大岩山までの長い縦走が始まります。尾根は基本的にはチャートの露岩ですが両崖山までに比べると土の上を歩くことも多くなります。
途中休憩ベンチのある分岐があり、これは右に折れると雷電山方面へと通じています。
コースは同じような景観のままアップダウンを繰り返しながら続きますが、途中の念仏像と林道横断点が現在地をチェックできるポイントになります。
念仏像の周辺はカタクリ群生地です。花の季節ならばここから下ってカタクリを楽しんでから林道を進んで横断点から山道に戻れます。
尾根道をたどってもすぐに林道に出て、横断するとまた尾根をたどる道が続きます。
このあたりからは北関東自動車道を見下ろし、やがて大登りの先に三角点峰に達します。三角点峰から下るといったん車道に出ます。ここに駐車して逆に両崖山あたりまで往復するハイカーもいるようです。
わずか車道を歩いた先で右の尾根に登る山道に入ります。この手前に月谷町へ下る道もありましたが現在は笹が覆って荒れています。また、この車道をそのままたどると最勝寺、通称大岩毘沙門様です。(大岩山・野山 参照)
展望テラスから大坊山、大小山
車道を下に見ながら大岩山に向けて尾根道を登りますがこれが長い登りでけっこう消耗します。尾根道はいったん先ほどの車道の終点駐車場に出ます。北側の展望が開け、野峰、丸岩岳、熊鷹山、根本山など安蘇山塊核心部が一望です。
駐車場からさらに登りが続きます。
途中、ヤブツバキの群生する林があります。ヒサカキが混生してはいるもののほぼ純林に近く花の時期には赤い花弁で彩られます。
大岩山ヤブツバキ林
大岩山から行道山へ:
急な登りを頑張ると大岩山頂上です。ベンチがありますが周囲の木々が大きくなってしまい今ではかつてのような眺望はありません。
通過点のようになってしまった大岩山を通り過ぎるとあとは行道山石尊見晴らしまで多少のアップダウンがあるもののなだらかな尾根が続きます。周囲の落葉樹もきれいでコース中でもっとも心和む景観かもしれません。
最後に少しだけ登りを頑張るとやっと行道山石尊見晴らしに登り着きます。東屋、ベンチ、展望方位盤、三角点があります。西から北側に素晴らしい展望が得られます。群馬県の山々が一望です。また
桐生、足尾、安蘇、日光の山々もずらり顔を並べています。
また振り返って東を眺めると大坊山、大小山の山塊、その先に筑波山まで見通せます、
ゆっくり休憩するには最適な頂上です。
ここからさらに下ると行道山浄因寺ですが、まだまだ帰路を頑張らなければならないので今回はここまで。
(行道山浄因寺については行道山行道峠 参照)
今回は往復しましたが、コース取りとしては行道山行きの生活路線バスに乗るか、あるいは車をデポするかして効率よく歩いて浄因寺参拝や足利の史跡巡りとセットで楽しむことをおすすめします。


     野峰 根本山 丸岩岳 熊鷹山

         奥の山は 左高鳥屋山 右大鳥屋山

2019年9月28日
まだまだ暑いのにたくさんのハイカーが:

  どんより曇った関東平野

靴を替えたので足慣らしに大岩毘沙門まで歩いてきました。
残暑が居座ってまだまだ暑いというのに駐車場はほぼ満車で両崖山までの尾根ではたくさんのハイカーが行き交っていました。みなさん秋が待ちきれないのでしょうか。
あいにくのどんよりした空で関東平野もぼーっと靄に包まれていました。
両崖山から先では散歩がてらの皆さんも見かけなくなりしっかり歩こうというハイカーだけになります。バスで行道山まで行って大岩山、両崖山を経て織姫山まで縦走するというコース取りの皆さんが多いようです。もちろん往復縦走の健脚のハイカーも。
スタート時は行道山往復のつもりでいましたが暑さにめげて大岩毘沙門様(大岩山最勝寺)を参拝して引き返してしまいました。

   大岩山最勝寺仁王門

2019年12月15日
野山往復:
寝釈迦

大岩林道終点まで車で登ってから大岩山(剣が峰)、石尊見晴、寝釈迦を往復してさらに剣が峰から西に派生する尾根をたどって野山まで足を延ばしました。
野山へ向かう尾根は先年大規模伐採があってすっかり展望尾根に変貌しました。ちょうどうまい具合に切り株が残っていて腰をおろして大展望を楽しみながらゆっくり休憩するのにもってこいです。筑波山も富士山も広大な関東平野も一望です。
嬉しいことに伐採後には落葉樹の植林がなされています。所有者のお寺さん(大岩山最勝寺)の先見に感謝です。いつの日かこのあたりも豊かな落葉樹林に生まれかわるはずです。
ただ残念なことに今年の台風の豪雨で伐採後の斜面のあちこちで崩壊が起こっていて改めて災害の猛威を目の当たりにしました。さらなる災害が起こる前にこの幼樹が大きくなって山をしっかり守ってほしいものです。
野山往復後さらに両崖山から天狗山往復も考えていたのですが体力も時間も無理なようで織姫山まで寄り道なしということにしました。
最後に織姫神社を通ることになりますが、あまりの賑わいにびっくり。昔はひっそりとしていた織姫神社ですが、どうやら足利の織物の守り神から縁結びの神様に衣替えしたのが功を奏したようで若いカップルや女性グループで行列ができていました。

     織姫神社石段
2020年3月29日
花の里山:
カタクリ

天気予報と睨めっこの末、遠出をあきらめて足慣らしのつもりでぶらり歩いてきました。
大岩山ではちょうどヤブツバキが満開でした。深紅の花が薄暗い常緑樹の森の中で妖艶な雰囲気を放っていました。
大岩山最勝寺周辺は暖地性植物自生地として市の天然記念物に指定されています。
石尊見晴らしから下って寝釈迦まで足を延ばしたら周囲にアカヤシオとミツバツツジ(トウゴクミツバツツジ)が少しだけ咲いていました。今年のアカヤシオはハズレ年のようで花付きはイマイチです。また、アカヤシオ、ミツバツツジ、ヤマツツジがいっぺんに咲いてしまっているのは今年の天候の変調のあらわれでしょうか。


     アカヤシオ

    石仏群を彩るミツバツツジ
【便利帳】  トイレ:織姫公園 最勝寺
コンビニ:市街地中心部には意外に少なくて電車利用なら足利市駅付近に2店。車なら総合運動公園付近とトンネル通り。
【収穫】(^_^;  62片 110g(2012-10-14)
18片 20g(2018-9-9)
7片 20g(2019-9-28)
12片 80g(2019-12-15)
21片 30g(2020-3-29)


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