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  大岩山、野山  おおいわやま 417m のやま 378m

あまり歩かれてはいませんが露岩と展望の尾根が魅力です

2009-1-1
足利の北のはずれに住んでいますので、毎日、行道山から大岩山(剣が峰)へ続く尾根を間近に見上げて暮らしています。
この尾根は行道山から大岩山への稜線を上辺とすると端正な台形をしています。
そしてその台形尾根の向こう側にさらに平坦尾根が見えるのですがそれがずっと気になっていたものの杉か檜の植林地らしくあまり歩こうという気にはならずにいました。
しかし、いつかはと思っていましたので、元旦、毘沙門天初詣がてらちょっと歩いてきました。
これが思いのほか楽しい尾根で、これまであまり知られずにいたのが不思議なくらいです


2018-1-1(こちら)
前回は何の情報もなく、また人の歩いた気配もなしで、下山で踏み跡さえ消えてしまって半分薮歩きになってしまいました。ところが最近はそこそこ整備されたと聞いているのでどんな変わり具合なのか見て来ようと毘沙門天初詣を兼ねて登って来ました。
手作りの案内板などもあってもう立派なハイキングコースになっていました。
みごとな展望を楽しむことができました。

2018-10-14(こちら)
自宅から大岩山(剣が峰)方向にきれいさっぱり伐採されてしまった尾根が見えます。どうやら大岩毘沙門天から野山へ向かう尾根のようです。
檜の植林地で薄暗くて通り過ぎるだけのつまんない尾根でしたがこれなら展望も開けているにちがいない。一度行ってみなくては。
【日程】 2009年1月1日
2018年1月1日(こちら)
2018年10月14日(こちら)
【山域】 安蘇
【天候】
【アクセス】 足利市街中心部から旧国道を西(桐生方面)へ向かうと切り通しを越えます。切り通しから約1km弱で斜め右に分かれる道があり、これを右折してさらにすぐ右折(次に信号を右折しても合流します。)してそのまま山間に入っていくと参道入口へ。すぐ前に大きな駐車場があります。
最勝寺(大岩毘沙門天)まで車で行くこともできます。参道入口を過ぎて車道を道なりに進むと山門前に着きます。2,3台駐車可能ですが満車の場合はさらに500mほどさきに大駐車場があります。この駐車場の脇に野山への登山口があります。
【駐車地】
 

参道入口前の駐車場に駐車可。
【コース】 2009−1−1
参道入口駐車場 − 参道 − 最勝寺(大岩毘沙門天)山門 − 本堂 − 展望駐車場 − 大岩山(剣が峰) − 平坦尾根
− 野山 − 三角点 − 高速道(工事中) − 西舟 − 駐車場
約4時間 経験者向き


2018−1−1
最勝寺駐車場 − 登山口 − 尾根 − 野山 − 障子岩 − 大岩山(剣が峰) − 行道山石尊見晴らし − 大岩山 − 登山口

2018−10−14
最勝寺先林道終点 − 大岩山(剣が峰) − 行道山石尊見晴らし − 大岩山 − 野山分岐 − 伐採尾根 − 野山 − 登山口
            最勝寺 仁王

        八ヶ岳遠望

             岩尾根

【メモ】
(2009−1−1)
前夜の賑わいの余韻:
参道入口
 

大岩毘沙門天の大晦日は大賑わいだそうです。悪口祭(あくたいまつり)といって大晦日から元旦にかけての年越しに「ばかやろー」と叫びながら参道を登って参拝する奇祭があり、静かな新年の駐車場には前夜の案内張り紙など賑わいの余韻が残っています。
駐車場の前の石段から最勝寺の仁王門まで急な直線登りの参道が続きます。岩がちの道ですが所々岩を穿って段にしてあったりえぐって溝状にしてあったりで昔の人がこの毘沙門天に参拝するためにかなりの労力を注いだことがわかります。
現在は車道が通じていて労せずに参拝が出来ますが昔はこの参道を歩いて登ったというのですからそれだけ篤い信心を集めていたということでしょう。

山中とは思えない規模の最勝寺建物群:
参道が緩やかになると車道と交差して山門の石段が現れます。まず石段の途中に立派な仁王門、さらに鐘つき堂を右に見て登り切ったところが本堂です。
最勝寺仁王門
初詣客も多く私たちも参拝をして境内を一巡りしましたが、前夜の悪口祭りのイベント悪口コンテストの結果が掲示されていたりして下の駐車場同様なんとなく前夜の賑わいの余韻が残っていました。
本堂右手には大杉があります。推定樹齢600年ということです。

剣が峰:
大杉の前を通ってか細い道が続いていてこれをたどると展望駐車場を経て剣が峰へ通じています。しかし頭上の車道から投げ捨てられたゴミが散乱してまるでゴミ捨て場を歩くようです。ですからむしろ本堂から左に回って車道に出てから右に折れて展望駐車場に出た方がいいようです。
駐車場からは車道途中へ下りてさらに両崖山方面へ続く道、月谷町へ下る道、浄因寺へ直接下る巻き道、そして大岩山頂上へ上る道といくつものコースが分岐しています。
大岩山へはヤブツバキの中の急な登りとなります。10分ほどで大岩山頂上です。この大岩山はピークとしては剣が峰とも呼ばれています。
頂上は昔は南、西、北に大きく展望が広がっていましたが最近は木々に囲まれてほとんど展望は得られなくなってしまいました。 

植林地から露岩の尾根へ:
浅間山 浅間隠山 榛名山
頂上からわずかに戻って右に分岐するとすぐに尾根道となり、一旦植林地をわずか登ってからは平坦尾根となります。しばらくは左側が植林地、右側が落葉樹林が続きます。落葉樹の落ち葉が積もって岩角を隠しているのでつまずかないように注意が必要でした。
北側には安蘇山塊がうねうねと続いていてその先には日光、足尾が雪雲に隠れてうっすら稜線を見せていました。
やがて露岩が多くなってくるとやや痩せ尾根になり所々で北側の展望が得られます。思いもしていなかった広大な景観です。そして378m峰に登り着くと展望はさらに開けますがもう少し尾根をたどると岩の棚の上に出て広大な眺めが広がっています。南から右へ富士山、秩父、八ヶ岳、西上州の山々、浅間山、浅間隠山、榛名山など関東をとりまく山が一望です。そして赤城山が真正面に大きく聳えていますが、北風に乗った雪雲が頂上部を隠していました。

下山の尾根は荒れ放題:
去りがたい展望尾根ですが風が冷たくてそう長くもいられません。
右下にゴルフ場を見下ろしながら尾根通しに進むと向きを南(左)に変え一気に高度を落としていきます。
しかしこの尾根はさながら赤松の墓場で松食い虫にやられた倒木が累々として道を塞いでいます。そのため三角点から先で道跡が不明瞭となりついには道を見失ってしまいました。
仕方なくヒサカキの藪を適当に下って行ったら北関東道の工事現場に出てしまいました。元旦ですから工事現場には人影もないので工事中の道路を横切って麓の集落に降り立ちました。 

山名について:
麓の集落にはイノシシ注意の看板
 

山名を知らぬまま歩きましたが下山後地元の方にお聞きしたところ「のやま」とのことでした。
念のため別々にお二人にお聞きした結果です。
ただし「野山」だと字もおっしゃったのはお一人で、別のお一人には字までお聞きするのを忘れてしまいました。 

(2018−1−1)
道もしっかり整備されてハイキングコースに:
障子岩
 

前回歩いたときは踏み跡さえ定かではなく半分は薮歩きになってしまいました。それどころか下山して地元の方にお聞きするまで登った山の山名さえ知らないというありさまでした。お聞きした地元の方さえ「そういえば野山と聞いたことがある」程度でその認知度はゼロに近いと言ってよいほどでした。が、なんと今回は手作りながら案内板まで立てられていました。今や一般ハイキングコースに成り上がりです。
全体チャートの露岩尾根ですが圧巻は障子岩と案内板に示されていた断崖です。麓から見ると凡庸な里山に見えますが、登ってびっくりこんな岩場があったとは。
岩場は特に危険と言うことはありませんが墜ちたらただでは済まない高度です。
もちろん岩上からの眺めは爽快です。安蘇山塊、足尾、赤城などが一望です。また遠く東京のビル群とスカイツリーもくっきり眺められます。
東京のビル群とスカイツリー

(2018−10−14)
あらら、野山が丸裸:
伐採地

大岩毘沙門天先の林道終点駐車場まで車で登ってここからスタートです。まずは剣が峰を踏んでさらに行道山石尊見晴まで行って昼食。まだろくに歩いてないですけど。
コーヒーを飲みながら一休み、ってほとんどスタートしたばかりなので休むと言うより出だしでぐずぐずしたってだけのような。(^_^;

剣が峰まで戻って野山分岐からだらだら下っていくと突然伐採地へ飛び出します。
わぁ、きれいさっぱり。当然ながら好展望です。伐採跡の切り株があちこちにあるので腰掛けて展望を楽しむのに好都合ですが、まずは野山へ登ってから。
登ると言ってもたいした標高差があるわけではないのですたすた歩けますし時間的にもあっという間です。
いつもは頂上付近から上州側の展望がすばらしいのですがあいにくもやっとした空気で赤城山さえやっと見えるか見えないかというところでちょっと残念です。
この頂上の先は(頂上からは見えないので気づきにくいですが)障子岩に続く断崖で落ちたらただでは済みそうにありません。少し下って振り返ると障子岩がそびえて見えます。
高いところは苦手なので先ほどの伐採地まで戻って近景の展望を楽しむことに。
伐採地から足利東部の山並み
これまで檜植林地で展望もない尾根でしたから伐採地からの眺めは初めての景観です。
足利ハイキングコースの一連の尾根が一望です。織姫山、両崖山、今しがた登った剣が峰などがお行儀良く並んでいます。その向こうには足利東部の山々、大坊山、大小山、駒の峰、山王山、寺久保山がこれもまた連なって並んでいます。さらにその向こうに三毳山、大平山までうっすら眺められます。たぶん空気が澄んでいれば筑波山、加波山なども見通せるはずですが完全に靄の中に消えていました。
【便利帳】  トイレ:最勝寺駐車場 
【収穫】(^_^; 2018-1-1  140g 13片
2018-10-14  20g 8片
 
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