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天狗山、両崖山(山火事跡) てんぐやま258.7 りょうがいさん251m

天狗山、両崖山の山火事跡を周回

2021-3-26(こちら)
先日両崖山付近から出火して折からの強風のために天狗山まで延焼して大規模な山火事となってしまいました。消防、自衛隊などの奮闘のおかげで民家などへの延焼だけはくい止められましたが、足利ハイキングコースの山域一帯は広範囲が焼け野となって無残な姿になりました。
入山可能となったのを機に様子を見ようと天狗山、両崖山を周回してきました。

2022-1-3(こちら)
月谷~大岩を結ぶ山越えの林道の峠付近(カタクリ群生地脇)に駐車して旧峠道でいったん大岩まで下ってから天狗山へ直登しました。スタート地点が異なっていますがルートは昨年の周回と全く同じです。
まだ所々に黒焦げの倒木などが見られ山火事の傷跡は残ったままです。
出火元と言われている展望テラスはすっかり様変わりした姿で復活していました。

関連ページ 大岩から天狗山、両崖山周回 http://www.kimurass.co.jp/tenguyamaoiwa.htm

   半焼けの天狗山頂上
【日程】 2021年3月26日(こちら)
2022年1月3日(こちら)
【山域】 安蘇前衛
【天候】 晴れ

【アクセス】 大岩町側:
効率のよいルートはいくつかありますがわかりやすいのは足利市街から旧国道(県道67)を桐生方面に走り赤十字病院前を右折、道なりに大岩町へ。北関東道が見えたあたりで谷間をめがけて右の狭い道へ入ります。
極端に狭い道ですから脱輪に注意しながら最奥の作業小屋が見えるあたりまで。
月谷町側:
市中心部から昭和通りを北へ向かって走り山に突き当たったら右折してその後はあくまで山沿いを進みます。変則交差点も左折して山沿いの未知を進みます。大きな溜め池を過ぎたら下中河原集会所のある分岐を左折、そのまま道なりに走って山越えの山間道路へ。
【駐車地】 大岩町側:
最奥はぽつんと一軒家風の建物ですがここは下山点になりますのでその手前のこれもぽつんと一軒家風の建物入り口付近に1、2台の余地があります。(昨年落ち葉で側溝が埋まっていて気づかずに落ちてしまいましたが、すでにその側溝には蓋が掛けられて2台分ほどの駐車地になっていました。)
月谷町側:
峠手前にカタクリ群生地があります。その手前の路肩に2台分くらいの余地。
【コース】
大岩登山口 - 御前岩 - 天狗山 -紫山 - 両崖山
- 分岐ピーク - カタクリ群落 - 大岩

行程  2.5時間 一般向き
【メモ】
2021-3-26
昨年のお礼かたがた:
下草や笹は焼失

昨年の暮れに大岩から天狗山・両崖山周回をした折りに側溝に車が落ちてしまい、すぐ脇の作業小屋で作業をしていた方がすぐさま駆けつけて脱出を手伝っていただきました。というより私はほぼ見ていただけで実際に車のエンジンを吹かしただけですけど。(^_^;
山火事でその小屋は無事でいただろうかと心配していましたのでお礼かたがた様子を見たい気もありました。
幸い至近距離まで焼けていましたが作業小屋も植え込みも無事でした。しばし当時の様子などをお聞きしながらおしゃべりしてから前回と同じコースで天狗山を目指しました。
登り始めるやすぐさま黒こげの斜面になりました。ただしTVのニュースで見るオーストラリアやカリフォルニアの山火事のような焼け野原になるようなことはなく下草が燃えてもヒノキの大木は根元が燃えているだけで目通りより上は燃えてはいません。生木は意外にしぶといのかもしれません。ただ、根元が黒こげになっていますのでこれらが生き延びられるかどうかはわかりません。(市の発表による被害額算定では植林地の木の損失は入っていませんので焼損と認定はしていないようです。)

登路の静けさは一転賑わう頂上:
頂上までも火の跡

途中の御前岩の説明板は完全に焼け落ちていました。生木は耐えていましたが材木となったとたんに火にはめっぽう弱くなるようです。この先いくつかの案内標識やベンチなどが周囲の焼け方とは違ってすっかり燃え尽きているのに出会いました。
登路はほぼ焼け跡という状態のまま頂上に飛び出すとたくさんのハイカーが休憩していました。たぶん私と同じように心配半分野次馬気分半分なのでしょう、口々に山火事当時のことを話しているようです。
天狗山を後にして大下りして両崖山へ向けて鞍部に着くとまたちょっと違った様子になります。このあたりはシラカシ、ヒサカキが繁茂する典型的な放棄された里山ですが、その広葉常緑樹の葉ががことごとく枯死して茶色の林に代わっていました。燃えはしていませんがどうやら火には弱いようです。この先再生するのかどうか、気になるところです。

    焼け残りのミツバツツジが開花

周回コース:
無残に焼けた展望テラス
 

天狗山から紫山への登り道には焼け残りのミツバツツジが開花していました。紫山の山名の由来はこのトウゴクミツバツツジが多く咲くからと言われています。(地元ではムラサキツツジと呼んでいます。)
見下ろすと大岩側の谷には山桜が山火事など知らんとばかり満開です。
両崖山を経て出火場所と推定されている展望テラスまで少し下ってみました。黒こげに焼け落ちていましたがやはりここでも人工物は周囲の樹木に比べて火に耐えられないようです。



頂上のタブノキ
両崖山頂上:
両崖山頂上まで登り返しましたがここも一部神社が焼け落ちていました。しかし鬱蒼とした樹林はそのままで、人工物だけが焼け落ちているのはこれまで見てきたのと同じ状況です。ただし、境内にある天然記念物のタブノキの一部は葉がすっかり枯死していました。途中で見たシラカシやヒサカキと同じような枯れ方です。焼け落ちたわけではないのでなんとか復活してほしいものです。


稜線を北へ:
カタクリ群落

両崖山から足利ハイキングコースの稜線を北にたどりました。行けども行けども山火事の跡です。これほど広範囲に燃えたのかと今さらながらびっくりです。
消火の戦略として山中はあきらめて人家への延焼をくい止めることを優先したことがこの結果になっているのかもしれません。足利は山の隙間にひしめいているような街の姿で、市街地が山の際まで迫っているのでただの1軒の民家も燃えなかったのは奇跡としか言いようがありません。それにしても強風下の飛び火の恐ろしさ。
しばらく主稜線をたどると月谷・大岩を結ぶ峠の月谷側直下にカタクリ群落があります。ちょうど満開でした。例年より10日ほど早いようです。
よく手入れされたこの峠道を大岩側に下れば駐車地まではあっという間です。谷に下ったところにクリンソウの植栽地があります。花の時期に訪れたら楽しそうです。

焼け跡の植物

  マンリョウ

  チゴユリ

  カントウタンポポ

2022-1-3
カタクリ群生地からがラクチン:
ヒノキ林 下草も再生途上

カタクリ群生地からすぐに主稜線です。花の時期には楽しい道です。カタクリ群生地のすぐ上には石仏があり主稜線縦走の折にはよい目印になっています。
かつては月谷と大岩を結ぶ峠道だったようでよく踏まれた歩きやすい道です。道は稜線を越えて一気に大岩最奥の集落跡まで下り着けます。この集落跡から両崖山や天狗山へいくつかの道が通じていますが天狗山頂上を目指すなら最後の人家跡(現在は作業小屋)の脇から上る道が歩きやすく展望もあっていいようです。
ヒノキ林はかなり焼け焦げた爪痕が残っていますが木々が倒れるほどの被害ではなく根元が黒焦げの状態ながらどうにか生きながらえたようです。
ジグザグの登山道を一気に上り詰めるとひょっこり天狗山頂上に登り着きます。ここまで誰とも行き会わないようなルートだったので頂上の賑やかさには戸惑います。

新装なった展望テラス
展望テラス:
両崖山から150mほど南下すると先の山火事の火元となったといわれている展望テラスが新装なってあらたな休憩地として復活しています。
ここからの眺めは関東平野の広さを実感できます。また足利の街がこんな広い関東平野の端っこにひしめいてわざわざ窮屈な街になっているのもなんだかおかしい光景です。こんな街のど真ん中にいくつも縦走ハイキングコースがあるってのもあまりないですけどね。
【便利帳】  コンビニ(大岩町側):大岩町に入るとありません。赤十字病院前を右折して両毛線踏切を渡った先の県道交差点に。
コンビニ(月谷側):江川町に2店
トイレ:なし
【収穫】 8片 150g (^_^;
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