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高山から中禅寺湖 たかやま1667.7m

前夜の風雨でシロヤシオは残念な姿に
2017年6月11日(こちら)
高山へ登るハイカーの多くは東側の竜頭ノ滝上から入山して西側の無名峠を経て小田代ヶ原あるいは中禅寺湖へと下山するようです。その山頂からの下山路はシロヤシオの大群落になっていて花時季に当たればこれでもかというほど咲き乱れる純白の花群に包まれます。
ちょっと遅めになってしまいましたが終盤のシロヤシオを期待して出かけました。
ところがほとんど花の姿はなく、また花期を過ぎた時季に見られる地面を真っ白に覆う花弁の絨毯も見当たりません。なんと言うことかと不思議に思っていたら地元ハイカーの話で前夜と前々夜に雷雨と暴風があってすっかり吹き飛んでしまったということでした。なるほど地面に痕跡も残らないはずです。
シロヤシオは残念でしたが、快晴のもと、巨樹と新緑とときおり樹間に顔を出す中禅寺湖の湖面を眺めながらのんびり歩くことができました。がつがつ登るばかりが山歩きじゃないと思わせてくれる優しい高山です。

2019年6月22日(こちら)
梅雨の合間の天気予報を信じて正午前後の晴れというかなり危なっかしい天気をかいくぐって歩いてきました。最近の予報は時単位で的中します。
もうツツジはおしまいになっていましたが千手ヶ浜のクリンソウはどうにかまだ咲き残っていました。

関連ページ:高山から小田代ヶ原


        高山頂上

    千手ヶ浜から見上げる高山    
【日程】 2017年6月11日(こちら)
2019年6月22日(こちら)
【山域】 日光
【天候】 快晴

【アクセス】 日光道からそのまま国道120号でいろは坂、中宮祠を経由して竜頭ノ滝入口の先で竜頭ノ滝臨時駐車場の案内に従って左折すると間もなく右手に駐車場。
【駐車地】

80台駐車可能とのことですがみたところ100台以上は駐車できそうです。
それでも午後に戻ったときはほぼ満車でした。
【コース】

駐車場 - 竜頭ノ滝 - 滝上 - 登山口 - 高山
- 無名峠 - 熊窪 - 千手ヶ浜(往復) - 赤岩 - 菖蒲ヶ浜
- 駐車場

実行程約4時間 一般向き
【メモ】
(2017年6月11日)
近くから見たのは実は初めて:
竜頭の滝

竜頭ノ滝は中禅寺湖、戦場ヶ原、湯滝と並んで奥日光の主要な観光ポイントですから何度か見てはいるはずですが写真で見たのか現実の景観を見たのか混同してあまりはっきりとした記憶はありません。有名な観光地は繰り返し写真などで見ているせいかいずこもこんなものです。
竜頭ノ滝臨時駐車場から少し車道をたどり竜頭ノ滝の脇を登ってみました。遊歩道から滝を眺めるとやはりその知名度に相応しい豪快な流れです。もしこんな大滝に山中で出会ったら感動でしょうが、残念ながら柵のあるコンクリートの遊歩道からの眺めですから感動もそれなりです。
滝の最上部で再度国道に出てから左に向かうとすぐに高山登山口です。

満開のズミがお出迎え
いつもの道はいつものように緑溢れる巨木の尾根:
しばらくは尾根を巻くように山裾を歩きます。晩夏にはソバナの大群落になるところです。今はちょうどズミが白い花をびっしり付けて満開でした。
ひと登りで尾根に出るとそこは巨樹の多い樹林で湖岸からの風が吹いて少し早すぎるものの休憩にちょうど良いポイントです。
ここからはずっとなだらかな尾根をたどります。ときおり樹木の切れ目から中禅寺湖の湖面を眺めることができます。また振り返ればやはり樹間になりますが男体山、太郎山なども大きな山体を見せてくれます。広く爽快な展望は得られませんが却ってしみじみとした気分で歩くには絶好の景観かも知れません。
わずかですがアズマシャクナゲが点在しています。もう花期も終わった様でわずかに咲き残りの花が数輪あるのみです。
頂上手前だけはジグザグの急斜面をしっかり登らされます。でもそれもわずか、すぐに頂上に飛び出します。
三角点、山名板がある頂上は芝草と裸地の小広い平地で、展望は得られませんがダケカンバの巨樹が印象的な好ましい雰囲気です。
しばらく休憩を取っていよいよシロヤシオ群落を期待して下山です。

スカッ、空振りシロヤシオ:
下山路は山頂から電光を切って一気に高度を落とします。いつもは頂上直下からシロヤシオに包まれるのですがほんの数輪見られる程度でほぼ皆無と言っていいほどです。どうしたことでしょう。
途中で会った地元ハイカーの話では前々夜、前夜の暴風、豪雨で一気に吹き飛ばされてしまったとか。天候のせいでは致し方ありません。
その代わり新緑の巨樹林や深山の雰囲気の漂う岩石帯を楽しむことにします。高山の下山路はいつの季節も心和む風光を楽しませてくれます。

     名残のシロヤシオ
           無名峠
無名峠に下り立つと前白根方面の尾根を見上げ、また小田代ヶ原方面へ続く平地を見下ろすことができます。ずっと樹林の中を歩いてきたので実際以上に眺めが広がった気がします。
ちょうど腰掛けるのにいい具合の倒木があって休憩してくれと言わんばかり。周囲の巨木の緑に包まれて少し長めの休憩としました。

のんきそうなニホンザル
中禅寺湖目指して:
峠から北へ下山すると小田代ヶ原方面へ、南へ下山すると中禅寺湖の熊窪です。
かつては小田代方面へ下りきったところに白砂と草原と白樺の絶妙な取り合わせの平地があったのですが近年笹が侵入し樹木が育ってしまってとりわけ感動的とは言えない景観になってしまいました。ということで、今回は中禅寺湖方向へ下山です。
しばらく下ったところで前方にニホンザルが1頭、こちらを警戒するでもなく我関せずという態度です。1頭のみですのではぐれ猿かもしれません。はぐれ猿の過酷な運命を知ってか知らずか、巨木の根方に偉そうに座って腹をポリポリ掻いたりしてけっこうのんきそうなヤツです。
道は良く踏まれていて歩きやすく、ずっとなだらかなまま快調に巨木の森を下っていくと徐々に傾斜がなくなり草原なども現れます。やがて前方の樹間に湖面が見えて熊窪に到着です。菖蒲ヶ浜から千手ヶ浜を目指す多くのハイカーが湖岸で休んでいました。

    下山路の巨木の森

    熊窪 湖面を見る

クリンソウ
千手ヶ浜:
熊窪で帰り方向のグループにクリンソウ真っ盛りの千手ヶ浜の様子を聞いたところ人がいっぱいだというのでUターンしようとしたら口々にここまで来たら行かないと、とグループ総掛かりで責められて(^_^; しまったのでお言葉に従って千手ヶ浜へ見に行くことにしました。
千手ヶ浜までは湖岸の道を歩いてほんの15分程度です。
しかし、行ってみるとちょっとがっかりな千手ヶ浜でした。いつもシーズンオフ(クリンソウ開花期以外)にしか訪れたことがないので人の多さにびっくりです。いつもの静けさはどこへやら。クリンソウの開花期でさらに日曜日ですから仕方ありません。
クリンソウ群生地は私有地を開放しているとのことで、所有者の好意に感謝して園内に。清流が流れ遊歩道が花を至近で見られるように通じていて花好きを魅了する園地になっています。とはいえ、遊歩道で見て回る園地ですからやはり山を歩いてきたあとでは居心地いいとは言えません。少しだけ楽しんで群生地をあとにしました。

湖岸の道
 
湖岸の道を菖蒲ヶ浜まで:
また湖岸の道を熊窪まで戻りそこで昼食としました。熊窪は湖岸が砂浜になっていて眼前に中禅寺湖と湖南の山々、背後に巨木の樹林を配して休憩には格好の場所です。
熊窪からは菖蒲ヶ浜まで湖岸の道をたどります。ミズナラの大樹が心地よい平坦な道と湖岸の岩場を越える登降とが半々くらいで水平道かと思うとそれほど楽ちんな道ではありません。
でも、樹間に湖面を見ながら、あるいは時々現れる岩場から湖南の黒檜岳、社山などの山々を展望しながらの帰路は楽しいものです。咲き残りのシロヤシオやヤマツツジも最後まで目を楽しませてくれます。
菖蒲ヶ浜のスキー場跡を見るとすぐに駐車場です。朝は1列ほどの車でしたがすでに満車に近い賑わいになっていました。

(2019年6月22日)
観光船:
低山といえど奥日光の山ですから巨樹が目立って深山の雰囲気は充分です。

    千手ヶ浜到着

シロヤシオもシャクナゲももう終わっていましたがそれは承知で出かけてきたので仕方ありません。
千手ヶ浜のクリンソウだけはまだ咲き残っていました。6月だけクリンソウ鑑賞の観光客のために千手ヶ浜まで遊覧船が就航しているのですがまだ第1便が到着する前なので静かな千手ヶ浜でした。
この遊覧船は前回訪れたときには千手ヶ浜で造営の最中でしたが昨年から就航して今は2隻で運行しているようです。
私たちもちょうど出港時刻がうまい具合に合ったので北岸を歩く予定を変更して遊覧船に乗り込みました。また湖岸からとは違った景色を楽しむことができました。菖蒲ヶ浜までわずか15分。(\400.-)
湖岸の道も楽しいですが6月限定ながらこちらの選択も楽しいです。ただし、菖蒲ヶ浜の着船場から竜頭の滝臨時駐車場までの舗装道歩きは排気ガスに晒されてけっこうきついです。

     観光船から赤岩
【便利帳】 トイレ:竜頭ノ滝、千手ヶ浜
コンビニ:日光道から清滝バイパスになってほどなく
【収穫】(^_^;  2017-6-11 21片 250g
2019-6-22 13片 30g