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山王山  さんのうやま 370m

山王山からザゼンソウ咲く須花坂まで市界尾根縦走

足利の山王山はあまり一般ハイキングの対象とはなっていませんが寺久保山から塩坂峠、越床峠、大小山と続く足利、佐野の市界縦走尾根の一角で、足利南部からは ひときわ高い端正な台形の姿が目立つ山です。縦走主脈からわずかにはずれているので登る人はほとんどいませんが、標高からも山の姿からもまた最も奥にあるこ とからもこの山塊の盟主と言って良いかと思います。
ただし、かつて関東平野を一望した頂上も今は樹林の中でまったく展望は得られず、立派だった日枝神社の社殿も今はなく、楽しみとしても信仰としても誰も登らなくなってしまったのも致し方ありません。

(一般ハイキングコースではありません。)

関連ページ
山王山(足利インターから) http://www.kimurass.co.jp/sannouyamaohyamazumi.htm
【日程】 2009年3月1日
【山域】 安蘇
【天候】
【アクセス】 足利から飛駒方面へ向かう県道で名草地区からホタルの里の案内に従って右の谷に入ります。
【駐車地】 ホタルの里に大駐車場がありますが通常閉鎖されていますので入口付近の路肩へ。
【コース】 駐車地 − 大山祇神社 − 大網林道 − 山王山 − 市界尾根 − 264m峰 − 須花坂 − 須花湿原
− 264m峰 − 派生尾根 − 林道 − 駐車地
約3.5時間 ベテラン向き
            枯れススキの揺れる山頂

        大網林道手前から見上げる山王山

             須花湿原ザゼンソウ

【メモ】 入山口を違える:
大山祇神社
以前下山したことのある入山点を尾根違いにとってしまい、アズマネザサの密藪を突いて這い上がるハメになりました。そんなことで尾根に出たときにはすっかり消耗してしまいました。
(下山後うろうろしながら確認したら全くの記憶違いでホタルの里駐車場付近から山道があったはずでした。)
この尾根は山王山から樺崎八幡裏へ続く尾根で、途中に人知れず大山祇神社があります。初めてこの神社に出くわしたときは山中に不似合いなほど立派で本当にびっくりしましたが、今ではすでに崩壊を待つというありさまです。麓の大坂でお聞きした話ではかつてはかなり隆盛を誇ったということです。寄進者を見ると足利周辺のみならず遠く東京から金貳百円寄進などとあり、昭和17年の日付ですから当時ではかなりの大金です。
裏手に石祠があり、下村五谷戸と記されていました。下村は現在の名草下町でしょうか。谷戸(がいと、げーと)とは関東の他地方では「やと」と読ん谷間を指していますが、どうも足利では谷とも言い切れない場所を指していてるように感じます。読み方の違いもあって関東とはまた違った意味合いでむしろ谷の入り口の集落のように思えます。
現在も下町に杓子谷戸の地名が残っていますし他にも勘定谷戸、平田谷戸など谷戸のついた集落名が残っています。。
このまま朽ちてしまうのはもったいないですが、以前ここに登った後に地元のお年寄りにお聞きした話では老齢化で山上に登ることも叶わず例祭も維持できなくなったと言うことでした。(その日はたまたま例祭の日に当たっていました。)
社殿の周囲には大杉や大カシもあり狭いながら神域の雰囲気があります。

寂しい山王山頂上:
大山祇神社からさらに高みを越えると一旦大網林道に飛び出し約20mほど先でまた山王山の登山道となります。
10分ほどの頑張りで山頂の一角に飛び出します。平坦広場となっていてほぼ中央に小さな石祠があります。ここは50年ほど前まで立派な日枝神社社殿があったのですが火災(落雷と聞いています。)で焼失してしまいました。その後永らく焦げた廃材などが散乱していた記憶があります。
かつては南側が大きく開けて関東平野の大展望が得られたのですが今は東面と南面は檜植林地となっていて展望はまったくありません。西側、北側も雑木や笹が茂ってしまいこちら側も展望は得られません。
また一時期電波反射板が建っていましたが今は完全に撤去されて影も形もありません。その跡には赤土が剥き出しになって工事現場のような感じがします。
最高点は石祠のある広場ではなく少し西側に藪を突いて進んだ先で小さな手製の山名板が架かっています。

市界尾根:
山王山は独立峰に近いので縦走尾根までは独立した山体を下降しなければならず笹藪が繁茂して見通しがないだけにそのとっかかりを探すのがたいへんです。
最高点から真北に向かってわずかに踏み跡が認められます。気をつけると須花峠を指し示す小さな案内板が架かっていて、またテープマークもあり、以前よりはわかりやすくなりました。
古い切り通しの跡
no
とっかかりさえ定められればすぐに笹も少なくなり尾根道まで一気に下降できます。狭い尾根になれば小枝がうるさいものの道形もしっかりしてきてしばらくは安心です。
標高300m付近でヒノキ植林地になって道形がはっきりしなくなったところでルートは下降しながら左にカーブを切ります。ここで北へ引き込まれると小尾根を下ってしまいます。
270m峰手前に石祠があります。また地形図破線が尾根を越える地点はかつてかなり往来があったらしい切り通しがあって尾根通しに通過できません。南側に古道まで降りて登り返します。
それ以外にはあまり特徴もなく藪がちの尾根を道跡を拾いながら小さな登降を繰り返すという感じで、最後の264m峰を下ると右下方に須花トンネル(明治トンネル)見物の人の声を聞いてすぐに須花峠に降り立ちます。
そのまままた尾根を登れば浅間歩道、右に下れば須花湿原を経てすぐに県道です。

須花湿原:
須花峠下に須花湿原があります。晩夏にはサワギキョウの咲く小さな湿原です。
ちょうどザゼンソウが満開でした。
ここのザゼンソウは自然に分布しているものではなく地元で植栽したものです。今では自然の湿原に余所から持ち込んだ植物を植栽するのは反則ですが、昔のことでもありまたまだハイカーさえ訪れない時代ですから地元の方たちの楽しみに植えたもののようです。そんな事情を知ってか知らずかたくさんのザゼンソウが薄暗いヒノキ木立の中で咲いていました。

登り返して大坂へ:
大坂に駐車してあるのでなんとか楽な方法で戻らねばならず、県道を回ろうかあるいは来た山道を登り返そうか迷いましたが、結局舗装道を歩くのはたまらんと登り返すことにしました。
来し方を展望する 左が山王山 右の小さなコブが大山祇神社
264m峰まで登って南に走る支尾根を下りましたが、この尾根の東斜面は伐採されて歩いてきた尾根が一望でした。
最後にイバラの伐採地を強引に下って林道に降り立ち大坂に戻りました。(脛や腕が傷だらけ。)

【便利帳】 トイレ:なし
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