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   野付半島(番外編)

西別岳、斜里岳のついでに駆け足旅
カムイヌプリに登って以来、中標津、標津、別海あたりの風光と人にぞっこんです。
それにしても、知床の世界自然遺産登録の影響か、今年の中標津空港はごった返していました。ほとんど団体のみなさんで、空港から「知床と***の旅」の旗に従ってぞろぞろとバスに乗り込んで(たぶん)知床を目指して出掛けていきました。今頃はどんなことになってるんでしょうか、知床。(^_^; で、その***はたとえば富良野だったりするわけで、行動力というか行動範囲の広さ、感服するばかりです。
私たちはというと、西別岳と斜里岳に大満足のまま、ついでにこぢんまりと急ぎ旅。(下山と同時に雨模様で)雨の根北峠を越えてその日は標津町・川北の宿に入り、翌日、川北温泉、三友牧場、野付半島と回ってきました。

関連ページ
西別岳(野付、三友牧場) http://www.kimurass.co.jp/nishibetsu.htm
【日程】 2005年7月11日
【山域】 道東
【天候】 曇り
【アクセス】 川北温泉:斜里方面からですと国道244で標津町へ。金山橋を越えるとすぐ右へ川北温泉への道が分かれます。
三友牧場:中標津町俵橋。西9線バス停で(中標津方面から)右に中春別方面に。茶志骨川を渡ってすぐに案内看板に従って右折すぐ。
野付半島:標津方面から茶志骨で海岸に沿って左折。すぐに半島の風光。

ハマナスもちらほら開花

  わぁっ!一面のエゾカンゾウ 野付

     ナラワラに遊ぶタンチョウ


【メモ】 豪華ではないけれど でもオススメの宿、工房宿六:
宿六
斜里登山の前日は斜里町の「工房宿六」に宿泊しました。
斜里岳登山には斜里町中心や清里町に宿舎が少なく、ちょっと困ります。どうやら知床観光の拠点であるウトロに集中しているようです。登山口の山小屋・清岳荘の選択もありましたが、こちらは食事の用意をしていかなければならず、せっかくの北海道、おいしいものと温泉がいいよね、ということになりあちこち山麓を探しました。1人部屋を探していたためかどこもはじかれましたが、ネットを巡って探しているうちにとても格安な宿に当たりました。それは心配になるほどの格安なお値段で、今回の山行の心配の種でありました。いったいこの値段でどんなところに泊まる羽目になるんだろうか。(^_^;
ところが、西別岳から下山して直行した斜里のはずれの「工房宿六」は、オーナーなのか従業員なのか判りませんが、当夜は若いお二人が切り盛りしていてとても好印象でした。食事は豪華とはいえませんが(お値段ゆえそれは当然です。)、質素な旅には充分で、おいしくいただけました。簡素な浴室の温泉は木の浴槽が真っ黒になる泉質で肌に心地よく下山の後の一浴は極楽気分。
宿舎に入ると何故「工房」なのかが判ります。ほとんど全て手造り。看板も部屋も浴室もホールもテーブルも椅子も、もぉすっかり豪快に手造り。それもよくあるペンションのちまちましたハーブや手芸でハイ手作りです、なんてのとはワケが違って建物から土木工事までそりゃ、もぉ豪快。なんたって現場工事の作業舎まであるんです。(^_^; 
同宿はライダーハウス舎にライダーの若者一人、私たちの宿舎にわれわれのほかに小樽から来たという若い女性お二人、ゆったり静かな一夜を過ごすことが出来ました。あまりお金をかけず楽しい旅をしたい若い皆さんにぜひオススメします。

雨なんのその 白濁の湯、川北温泉:
川北温泉

近くのペンションのオーナーに伺ったところ、川北から川北温泉へ通じる林道は通れないとのことで、前日確認した国道からの道をとりました。かつては湯宿があったとのことですが、よくぞこんな奥にと思うほど林道を分け入った場所に小屋がけの脱衣所と休憩所があります。駐車は10台以上はへっちゃらです。きっと天気が良ければ分け入ってくるクルマも多いのでしょう。この雨ですから我々のみ、ゆったりと手足を伸ばして白濁の湯につかりました。
もちろん掛け流しで、これが熱いのなんの、沢水を引いたホースがあってこれで調節してやっと入れました。
脱衣所と湯舟は男女別となっていて、一応仕切りもあるにはありますが低くて、立ち上がっちゃいけない。(^_^;
仲間と仕切り越しに「いい湯だねぇ」と互いにご満悦のひとときでした。
湯は飲むことも出来ます。かなり塩辛い湯でした。
帰りがけに厚岸からというご夫婦がやってきて我々と入れ替わりとなりました。

三友牧場 やっと三友ご夫妻とお会いできました:
チーズ館
三友牧場は自然循環の酪農を営む三友盛行、由美子ご夫妻の牧場です。牧草だけで飼育した牛から搾った牛乳で手造りチーズを製造しています。
前々回は突然伺ったのでお留守、前回は道に迷って飛行機の時刻にせかされて諦め、やっと3度目の正直でした。山登りなので予定がはっきりせずあらかじめ連絡を入れておくことも出来ないので今回も突然電話を入れることになってしまいました。6月中頃にチーズが頒布できるようになったと案内をいただきましたが、すでに在庫もないとのこと、やはり最近はすごい人気です。(ANA国際便の機内食に出たそうで、そりゃなくなっちゃうわ。(^_^;)しかし、来てもらえれば対応しますよ、というお言葉に甘えて押しかけてしまいました。本当にお忙しい中、快く迎えていただきました。
チーズ館は以前よりだいぶ大きくなっていました。http://www.kimurass.co.jp/nishibetsu.htm <--小さな頃
ちょうど作業の最中で、一時も手を休めることが出来ないチーズ造りですから、作業の様子を窓越しに見学しながらいろいろお話しを伺いました。本当にチーズ造りってたいへんなんです。
奥様の作業を待つ間、チーズ館の2階で牧場を眺めながら盛行氏といろいろお話ができました。酪農のあり方を根底から変えたその仕事から想像するのとは少し違って、柔らかな人当たりでこちらも古いつきあいの近所のおじさんってな感じでお話しすることが出来ました。でも、柔らかい物言いの話の中身は鋭く、以前小泉武男先生との対談で小泉先生が聞き役に徹していたのも頷けます。(私にはまた別のTVの経済番組での話が印象に残っています。)
作業を終えて汗だくで上がってきた奥様は、それは気さくな方で、さらに話が弾みました。
帰りに、ないという在庫を無理にあることにしていただき(^_^;、わずかに残ったグランド・マ・チーズとまだラベルも貼ってないカチョカバロを出していただきました。これでグランド・マ・チーズはおしまいです。仲間は袋いっぱいになってました。おばさんの特徴、「買い占めて、配る」(^_^;
グランド・マ・チーズはウォッシュチーズでそのため塩味が効いています。私はこのままワインやビール飲みながら食べてます。カチョカバロはいろいろ料理に使うとおいしいです。(以前、何も知らずにそのまま食べていましたが、溶けるチーズ風に料理に使うとおいしいのだとあとから知りました。)

野付半島:
霧立つナラワラ付近
もう時間もないのですが、それでも、行く。あくまで遊ぶ。
三友牧場からカーナビにも表示されない道を走って尾岱沼まで。この道は原野の中の、はるばる北海道まで来たなと思わせるような道で、キツネの横切る姿も見ました。
国道をわずかに左に走ると野付半島の付け根になります。あとは左に北方領土、右に原野や湿地を見ながらの快適な一本道が続きます。アオサギの群れ、湿原に遊ぶタンチョウ、一面のエゾカンゾウ、ハマナス、ノハナショウブ、エゾフウロ、ハマエンドウ...クルマを走らせてはまた停めて...あと一日必要だったなぁ。
ネイチャーセンター併設の食堂がすっかりきれいになっていてびっくり。でも、メニューの新鮮さは以前のまま、今だけが漁期の北海シマエビをいただきました。ピチピチ跳ねてるのを掴んで「ごめんな」と言いながら殻を剥いて口にするとじわっと甘さが口に広がってそれは美味。(^_^)
遊びすぎて、空港で滑り込みセーフ、というより離陸を遅らせたかもしれずアウト、というおまけ付きでどうにか空の人となりました。

   エゾノシシウド群落(トドワラ)

         タンチョウ