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天水越 ブナの森 あまみずこえ1088m(天水山)

天水越のブナの森を歩く

2013-5-25(こちら)
昨年歩いた天水越の残雪とブナの新緑との取り合わせにすっかり心を奪われて、また今年も出かけてきました。
雪の状況が昨年とは違ってアプローチも少しまごまごしてしまい、山に入っても雪に難儀することになりました。
でも、多少の苦労はかえってブナの森の美しさを印象深くしてくれるというものです。また今年も天水越の風景が心にしみる山旅となりました。
2021-5-30(こちら)
春が早いので雪解けも早いとか春先の豪雪で雪解け以上に残雪の量が多いとか不確かな情報が錯綜してこれという確かな日程が決められない今年の春。残雪量が多いという方に賭けて5月末に出かけました。
結果、雪のないブナの森を歩くことになりました。ま、それはそれで新緑から濃い緑への変わり際のブナの深い森を楽しむこともできましたし、話に聞いていたオウレンの群落もちょうど開花時期に会えたし、それぞれの季節それぞれの魅力に溢れる信越トレイルを再確認できました。

関連ページ:
天水山

野々海池

     稜線の残雪       天水越ブナの森
      イワウチワ       天水山から苗場山
【日程】 2013年5月25日(こちら)
2021年5月30日(こちら)
【山域】 信越
【天候】 2013-5-25 晴
2021-5-30 雨、曇り
【地図】 1/25000松之山温泉

【アクセス】 2013-5-25
関越道塩沢石打ICを出て石打から国道353号で十日町市山崎へ。
山崎から津南に出て、津南から国道353号、県道358号とつないで天水越で国道405号へ。天水越集落から少し国道を走り丁字路を直進して大厳寺高原まで。
(国道405号は丁字路を右折するのですが雪のために通行止めでした。5月末というのに国道がまだ除雪されていないとはさすが越後の豪雪地帯です。)
なお、前年はその丁字路の前で国道が通行止めとなっていて左に分岐する道を走りましたが、なぜか今年はそちらが通行止めでした。
大厳寺高原から林道をさらに走りましたがすぐに雪に阻まれました。

2013-5-25
関越道六日町ICを出て国道253八箇トンネル経由で十日町を抜けて国道253を忠実にたどって松之山まで。松之山で左折して大厳寺高原へ。大厳寺高原からの林道は除雪が終わってないためすぐに通行止めとなりました。
なお、八箇トンネルとは別に八箇峠トンネルができています。国道253の新道です。こちらに廻れば快適なはずです。
【駐車地】
除雪最前線脇に数台駐車可。除雪の具合でどこに止められるかは時期によって変わるはずです。

【コース】
駐車地 - 登山口 - 稜線 - 天水山
- 次のピーク(往復)

全行程 5時間(休憩込み)
ベテラン向き(無雪期は一般向きのようです。)
【メモ】
2013-5-25
ふたたびブナの森へ:
いきなり美しいブナの森
 

出かけてきたのは3度目ですが最初の時は11月というのに雪に阻まれて天水越(あまみずこえ)の集落を出たところで断念しましたので実際は2度目の天水越のブナの森ということになります。
昨年初めて歩いたときの残雪と新緑の景観があまりに印象的でしたので、なんとしても仲間に見せてあげたいとまたいくつも峠を越えてやって来たというわけです。
それにしても何という豪雪地帯でしょう。国道さえまだ雪のために一部通行止めですし、集落の周囲の棚田では田植えの準備をしているその脇に雪がうずたかく残っています。
山間の道路の状況は現地に行ってみないことにはわかりません。前回通れた道が通行止めで前回通れなかった道が除雪されていたりで、実際登山口近くまでたどり着けるのか、それがまず難関です。
通行止めの道を回避しながら大厳寺高原まではどうにか車で入れましたがそこで道路は雪に覆われて先へ進めません。ここからではブナの森へは雪の上をかなり歩かされそうだなぁ。
ところがカメラを担いで歩いて戻ってきた方に聞いたところ本来の道とは別に除雪された未舗装の脇道があってどうやら途中まで行けそうなことがわかりました。
脇道は大厳寺牧場入口へ通じ、そこから林道を登山口までのほぼ中間地点あたりまで走ることができました。
除雪最前線には駐車余地もあってすでに4,5台の車が停まっていました。後からわかったのですが登山者は一台のみでほかはみなさん森の写真撮りに来た方たちでした。
ここから雪を踏んで登山口まで一時間弱のアルバイトです。結果的にはこれがけっこうこたえてしまいました。

勝手知ったる登路:
駐車場で会った登山者は天水山のイワウチワが目当てだったようですが登路がわからず残念ながら引き返してきたようでした。
私たちはそこは大丈夫、昨年の経験がありますから難なく天水山まで一気に登り着くことができました。
天水山手前の稜線から米山、刈羽黒姫山 
ただし、難なくといっても、コース取りが難なくいったというだけで、実際登るのは雪が多くて難儀しました。折からの好天で残雪はぐずぐずで軽アイゼンもあまり効きません。天水山手前の急斜面はけっこう困難でした。
稜線はブナもなく少し藪っぽいのですが立木はおおかた雪に倒されていますので歩きにくいというほどではありません。雪に半分埋まったままでタムシバやマンサクがたくさん咲いていました。
雪が溶けて地肌が現れた場所にはたくさんのイワウチワが咲いていました。

天水越ブナの森


天水山の先は雪とブナの素晴らしい景観:
ミズバショウ(大厳寺高原)

気分的には天水山でもう充分でしたが、ここから先が豊富な残雪とブナの巨木の連続で、多少とも先へ歩かないことにはこの山の魅力の半分で帰ってしまうことになります。
天水山から下って鞍部に降り着くと巨木が林立してこれぞ天水山の核心です。特に長野側(南面)は緩斜面の優しい地形で、雪と新緑の取り合わせはなんとも心和みます。
慣れない残雪の登りで疲れも出てきたので次の高みまで登ってから往路を戻りました。
下山もブナの新緑に包まれてしあわせ気分でした。
大厳寺高原にはミズバショウも咲いていました。帰路、車道から見る越後の山々はまだまだ雪を纏って白く輝いていました。見下ろす谷は奥深くまで棚田が拓かれていて田植えの準備が進んでいました。
  鳥甲山
   越後三山

2021-5-30
大厳寺高原も天水越えも残雪はほぼ消えていました:
森の主

昨今のキャンプブームはこんな山奥にまで押し寄せています。大厳寺高原にもテントの群れを作り出しています。以前はここまで来てキャンプする人など見かけませんでしたがすっかり賑わいを見せています。しかしキャンプの皆さんは山に興味はあまりないらしくその先は一日で数人の登山者に会ったのみです。
期待の残雪は、あららら、もうほぼなくなっていました。林道の除雪はあと一息というところで登山口まで行き着くのもあと一週間とはかからない様子です。登山口からも夏道を歩く羽目に。雪がないとこんな風景だったんだな。
深いブナの森とオウレンの群生。雪があってもなくても楽しい登路です。
ユキツバキ、タムシバ、イワカガミ、イワウチワ、オオカメノキ、ユキグニミツバツツジなど春の花が次々と。
雪もほぼ消えたブナの森
霧に包まれたブナの森

天水越えの花(クリックで拡大)

  イワカガミ

  イワウチワ

  ミズバショウ

  オオカメノキ

  オウレン

  タムシバ

  ユキツバキ

  ユキグニミツバツツジ
【便利帳】  トイレ:大厳寺高原。無雪期なら登山口に。(除雪が済むまでは閉鎖されています。)
コンビニ:松之山地区に入るとありません。 

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