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時水城山  ときみずじょうやま 384m

カタクリの山と言うほかこの山を形容する言葉はありません。全山カタクリ、ずっとカタクリ、びっしりカタクリ、もぉ足の置き場に困るほどカタクリだらけです。
さらに越後の山々を一望する第一級の展望尾根でもあります。日本一の豪雪地帯に連なる山々が真っ白に輝く姿には圧倒されます。

      時水城山頂上       カタクリ
【日程】 2019年4月13日
2022年4月17日
【山域】 新潟西山山系
【天候】 快晴

【アクセス】 関越道小千谷IC出口を左折して国道291号に出たら高速道をくぐってすぐの信号で左折。IC脇の道路を回り込んでから右折して育苗センターを目標にわずかに走ると登山口です。小千谷ICが登山口と言ってもいいくらいの近さです。
【駐車地】

育苗センターの先が登山口です。
駐車場はありませんが路肩に数台駐車できます。
【コース】 2019-04-13
両新田登山口 - 桐沢峠 - 丸山
- 時水城山 - 時水下山路分岐
- 棚田 - 時水 - 両新田登山口

2022-04-17
両新田登山口 - 桐沢峠 - 丸山
- 時水城山 - 馬場清水登山口
- 時水 - 両新田登山口

全実行程 4時間(のんびり歩き)
【メモ】
2019年4月13日
いきなりカタクリ:
登山道まではみ出して咲くカタクリ

登山口付近に駐車して車を降りると早速道脇のカタクリが迎えてくれました。わっ、いきなりカタクリだぁと興奮気味でスタートしましたが、じつはこの先ずーっとカタクリが続いてそれは下山するまで途切れることがないとはこのときはまだ知りませんでした。とにかくカタクリの山、全山カタクリです。他の花もあるにはあるのですがカタクリに比べたらほんのおつきあい程度にしか会えませんでしたのでカタクリしか咲いてない山という印象だったのもいたしかたありません。
途中で出会ったご婦人が「関東の人は貴重なカタクリを踏むなと言うけれど、無理よねぇ」と話していましたが、なるほどこれだけあればそうかもしれません。
さてスタートと思って駐車地脇の最初の案内板を見ると両新田口を指していて登山方向とは逆の矢印なので少しまごつきますが、案内板が間違っているわけではなく歩く方向はその反対方向です。車道とは別に広い坂道が上がっていきますのでこちらに進むとすぐに右に山道が分かれます。これが登山道です。
作業の軽トラくらいは走れそうな広い道で斜度も緩くのんびりおしゃべりしながら歩くにはちょうど良い道です。(かなり奥まで棚田跡があるので、かつては作業の軽トラックくらいは入り込んでいたと思われます。)
道脇には延々とカタクリが続きます。道の真ん中まではみ出して踏まずに歩くのは無理。(^_^;
桐沢峠 ここから尾根道
桐沢峠:
道は尾根を通ったり尾根の左を通ったり右を通ったりしていますがそのたびに景観が変わって植生も変化します。また見下ろす棚田跡のカヤトの風景も藪に覆われるまでのわずか数年だけ見られる景色かと思うといとおしい気がします。もう耕すだけの経済的理由もなくなってしまった棚田は早い時期に放棄された部分から順にほぼ消えてしまい平坦な地形がその痕跡をとどめているのみです。
雰囲気が峠道という感じになって見通しが良くなってくると最後のひと登りで桐沢峠です。石仏のある明るい峠は左右に尾根道が分かれまたそのまま峠道が峠を越えて桐沢方向へ下っていきます。
桐沢方面の豪雪地帯らしい景観が見下ろせます。またその先には米山、八石山、刈羽黒姫山、さらにその先に真っ白な火打山、妙高山なども一望です。

豪雪帯らしい景観の谷を見下ろす
展望尾根:
峠からはやや急な登りになりますがそれもほんのわずかで最初のピーク丸山頂上まで10分ほどです。丸山からは素晴らしい展望が得られます。
西には先ほど桐沢峠で眺めた米山、刈羽黒姫山などがさらに邪魔するものもなく一望できます。
東には視界いっぱいに名だたる山々が連なっています。
新潟のハイカーにとってまさにおらが山ともいえる粟ヶ岳、会越国境の守門岳と浅草岳、遙か奥の奥に聳えて平地から容易にはその姿さえ見ることのできない毛猛山や未丈が岳、越後三山の越後駒ヶ岳と中の岳と八海山、さらに右へ(ここからは南の方向になります)巻機山から谷川岳周辺の山々や苗場山までどれもこれも真っ白に雪をいただいてさすがに豪雪地帯の中の豪雪地帯です。その勇姿につくづく、すごい景観だなぁ、と感嘆のため息。


      刈羽黒姫山

       米山
時水城山:
良く踏まれた尾根道

登降も少なく良く踏まれた歩きやすい尾根道ですが、山々の展望と足下のカタクリとでなかなか歩が進みません。
カタクリは相変わらず続いていて、こんな乾燥した尾根筋によくぞこれだけのカタクリが群生するものだと不思議なくらいです。カタクリの他にもヤマザクラやエンレイソウ、オトメエンゴサクなども目を楽しませてくれますが、なにしろこれほどのカタクリですからカタクリに圧倒されて影が薄くなってしまうのも無理もありません。
最後だけ急な登りになって(その名が示すとおりここは城跡ですからたぶん本来の地形に加え築城の時に切った切岸のためと思われます。)突然に時水城山の頂上に飛び出します。
丸山をしのぐ絶景です。見える山々はほぼ丸山と同じですが丸山からわずかに邪魔になっていたこの時水城山が(自身ですから当然ですが)邪魔にならず遮るものなしの展望です。
北にも展望が広がって弥彦山、角田山、さらには日本海と佐渡まで届く遠望でした。この季節、新潟は黄砂や薄靄が多くてくっきりと佐渡が望めるというのは少ないのですがこれほどの好天のおかげではじめて白くくっきりとした佐渡の山々を見ることができました。

          越後三山 越後駒ヶ岳、中ノ岳、八海山

   守門岳、浅草岳

    遠く佐渡を望む
楽しい下山路:
山頂で休んでいたハイカーはみなさん馬場清水登山口へ下山していきましたが、私たちは尾根歩きの時に尾根の途中から分岐して下山する道に気づいていたのでそちらを選びました。
こちらもずっと続くカタクリ群落です。道脇はもちろん斜面にはずっと下方まで群落が続いています。カタクリ、カタクリ、カタクリで最後まで歩くことができました。
谷筋に下りてきてからもコシノコバイモ、ユキツバキ、イカリソウ、ネコノメソウなどの花をカメラに収めながらのんびり駐車まで戻りました。
時水城山の花図鑑(クリックで拡大)

  カタクリ

  キクザキイチゲ

   イカリソウ

  オオバキスミレ

  コシノコバイモ

  オトメエンゴザク

  ショウジョウバカマ

  ユキツバキ

2022年4月17日
満開の尾根を満喫:
春爛漫の時水から見上げる時水城山

前回も花だらけの印象でしたがカタクリの開花がさらに真っ盛りでした。地元のハイカーに教えていただいて白花、緑花のカタクリを見つけました。特にきれいということもないですが地元ハイカーの間ではどこに咲くかまで知られている存在らしいです。
今回も稜線から大展望が得られました。登降の少ない稜線は花に包まれ雪山の大景観に圧倒されて夢のようです。


  イワウチワ

   シラネアオイ 
【便利帳】 コンビニ:なし 登山口がIC至近なのであらかじめ余所で購入しておくか小千谷市街方向に行くかしなければなりません。
トイレ:馬場清水登山口。両新田登山口にはありません。両新田登山口から入山する場合は市街地でコンビニのトイレをお借りすることになります。
【収穫】(^_^;  13片 40g

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