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  太郎山2368m
ウラジロモミの森を登る
2006-8-20
表日光連山と奥日光の山々の間に割って立つ独立峰の太郎山。眺めた通りの急登でした。
ずっと樹林の中の登りで汗を絞られましたが、壮絶な新薙の景観やお花畑と呼ばれる笹原など楽しめるポイントもあって一日行程としては手頃な山です。
近くに日光湯元温泉が控えていますので、白濁の湯にのんびりつかってから帰りました。

2015/09/19
途中林道が通行止めでした。
【日程】 2006年8月20日
2015年9月19日(こちら)
【山域】 日光
【天候】 曇り
【アクセス】 戦場ヶ原の光徳入口から国道を離れ光徳方面に。途中で右折して林道に入ります。この林道は直進すると三本松方面になりますのですぐ左折して志津方面を目指します。
2015年9月現在、志津方面へは工事用大型車が通るため通行止めになっています。途中、チェンが張ってあり進入不可となっています。
タクシーはチェンをはずして入り込んでいますが、チェンの先は駐車が出来ないためタクシー限定かと思われます。
また仮に将来通行止めが解除されても太郎山方面への林道はかなりの荒れていますので登山口までは無理のようです。
【駐車地】 チェンの直前に駐車場があります。10台以上。
【コース】 駐車地 − 登山口 − 新薙下部脇 − 新薙上部横断 − お花畑 − 太郎山(往復)
約5時間 一般向き

    新薙下部から見上げる太郎山全景(山頂は見えない)

         山頂







新薙

【メモ】
登山口付近のきれいな樹林
きれいな樹林体:
駐車地から林道を50mほど進むと登山口があります。付近はウラジロモミの樹林で背丈の低いミヤコザサの林床とマッチして美しい林相を楽しめます。ウラジロモミは別名ニッコウモミとも呼ばれていることから判る通りこのあたりではかなり優勢な樹種のようです。またダケカンバの幼樹林も目立ちます。
しばらく森の雰囲気を楽しみながら登りシャクナゲ群生を見ると、左手が新薙となります。新薙もまだこのあたりではただの崩落地という感じです。
ここまでは緩やかな登りで、こんなことで頂上まで行けるのかと思いますが、徐々に急な登りとなり最後は帳尻合わせのような急登となります。
岩場の急登を過ぎると新薙上部を横断します。新薙は上部でいくつかに枝分かれしていて、何度か横断しなければなりません。この横断箇所からは爽快な展望を愉しむことができます。あいにく雲が多く、男体山も大真名子山、小真名子山、帝釈山がときどき代わり番こに顔を覗かせる程度でした。
上からの落石に注意しながら通過し、さらに一登りでひょっこりお花畑に飛び出します。

お花畑とは名ばかり:
お花畑(花はあまり咲いていません)

お花畑という名に高山植物の咲き乱れる草原を想像してしまいがちですが、一面の笹原です。周囲にとっくに花も終わったコバイケイソウがぱらぱらとある程度です。他に花があるかと見つけましたが笹の中にニガナ(たぶんタカネニガナ)がいくつか咲いていました。
でもつまらない笹原かというとそうではなく、ほとんど矮性の草かと勘違いするほどの数センチの背丈のミヤコザサがびっしりと生え、周囲を針葉樹林に囲まれた平地で、明るくなかなか気分の良いところです。円形の笹原の真ん中に一筋の道が延びています。凹地のためかとても静かです。

大展望のはずが:
お花畑から数分で稜線に達し、山王帽子山からの道を合わせると待望の山頂。三角点と2つの石祠がある小広い頂上です。
ウメバチソウやヒメシャジン、コバノコゴメグサ、ホソバイワベンケイなどがちらほら咲いていましたが、時期的にもお花畑と言うほどではありません。ちなみにヒメシャジンとコバノコゴメグサの基準標本は日光のものだそうです。
ここからは大展望が得られると言うことですが、あいにく自分の居る山頂部は雲の中で、隣の小太郎山さえ見えませんでした。
混雑とは縁のない静かな山頂ですが、それでもさすがに人気の山で、入れ替わり立ち替わり登山者がやってきます。やはり光徳側(山王峠)からやってくるハイカーが多いようです。
しばし山頂の雰囲気を楽しんでから、また樹林の中を下山しました。

2015-9-19
林道通行止め:
林道から太郎山

仲間と再訪です。
観光も登山もちょうど端境期で夏の花は終わり紅葉はまだというなんとも中途半端な季節です。
ちょっと遅めの出発ではありますがまあそれほど時間もかからないと踏んでいました。ところが、なんと林道が通行止め。さて山王峠に回ろうかこのまま林道を歩こうかと迷った末、片道1時間ほどの歩行なら林道をこのまま進もうということになりました。
いつもは走り抜けてしまう林道ですが周囲の樹林は深山の雰囲気が色濃くただ苦労ばかりの林道ではありません。
途中、太郎山、大真名子山、男体山を見上げることが出来ます。あまりに慣れ親しみすぎているし、どれも車で簡単に登山口に行けてしまうのでなんとなくたやすい山と思っていますが、こうして近くから見るとどれも大きな山体で高々とのしかかるように迫ってきてつくづく日光の山深さを思い知ります。

無情な通行止め
荒れた林道:
大真名子山や男体山への登山口となる志津へ向かうにはこの林道を進みますが太郎山へ向かう私たちは途中から左へ分岐する林道へ入ります。
しかし、かつては車で登山口直前まで入れたのですが現在は道が荒れていて、仮に通行止めが解除されてもとても車で進入するのは無理のようです。
駐車地から約1時間、右手に堰堤を見るとすぐその先が登山口です。


      戦場ヶ原

     少しだけ紅葉

きれいな樹林を登る:
登山口からは笹に埋め尽くされた林床のウラジロモミ林の中を登りますがやがてダケカンバの見事な林となりさらにコメツガなども混じって深山の趣満点です。
最初は緩斜面ですが徐々に傾斜がきつくなってそのうち枝や根を頼りの急斜面に息も上がります。要所要所には固定ロープもあって危険は感じませんが豪雨のあとですから表層の腐植質土壌が流れてしまい滑りやすい粘土質が剥き出しで気が抜けません。
所々で展望が得られ振り返ると男体山や大真名子山、戦場ヶ原、中善寺湖などが一望です。一部紅葉も始まっていました。
展望も少しだけ得られたし紅葉も少しだけ楽しめたし、と言うことで新薙直前で時間切れ頂上断念ということにしました。
【便利帳】 トイレ:光徳
コンビニ:日光宇都宮道路から一般道に降りて右側
【収穫】(^_^; 2006-8-20 36片 320g
2015-9-19 11片 100g
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