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  高田山 1212m 

展望もさることながらこれほど見事な紅葉にはそうそう逢えるものではありません 
 
2003-11-2
嵩山に登った折り、北西の方向にどっしりかまえた大きな根張りの山がなかなか格好良く、印象に残っていました。一等三角点峰高田山です。
一等三角点峰ですから展望は期待通りでした。さらにこの山行の印象を強烈にしたのはカエデ純林の紅葉です。正真正銘、真っ赤っか。これほどの紅葉はそうそう見られるものではありません。(こちら)

2015-10-24
各地の紅葉が早めというニュースを聞いて前回よりちょっと早い頃を見計らって再訪しました。結果的には前回と同じ頃まで待つべきでした。紅葉にはちょっと早いしそれより何よりまだヤマビルの出没時期が終わっていませんでした。
それでも少しばかり色づいたモミジを楽しめましたし静かな高田山を歩けたのでまずまずの山行となりました。(こちら)
【日程】 2003年11月2日(こちら)
2015年10月24日(こちら)
【山域】 吾妻流域
【地図】 1/25000中之条
【アクセス】 関越道渋川ICから吾妻川沿いに中之条まで、さらに四万川に沿って四万湖を過ぎ駒岩まで。
駒岩はうっかりするとバイパスを通過してしまいます。左に登って行く狭い旧道に注意。
【駐車地】 駒岩集会所前が駐車場となっています。4,5台。ここがいっぱいでしたらバイパスの路肩の広いところを見つけて置くほかありません。旧道は狭く、他に駐車地はありません。
【コース】
集会所 - 石材店脇 − 鳥居 − 獅子井戸
− 石尊山 − 高田山 (往復)
実行程約4.5時間 一般向き

  色づくカエデ類の林(2015-10-24) 

      稜線から見下ろす麓の集落(2015-10-24)

【メモ】
【2003-11-2】
地元のみなさんが太鼓で送り出してくれました:

駒岩の旧道をうっかり通過してしまい、戻って坂道の旧道に上がると駒岩集会所がありました。地元で管理し、駐車場としてハイカーに開放してくれています。水道もありますので水の補給もできます。ちょうど地元の皆さんが駒岩太鼓の演奏会に出かけるため荷積みをしているところでした。太鼓で送り出してやろうと私たちの出発に合わせて景気よくドンドコやってくれました。
集会所のすぐ上の石材店の脇が登山口になっています。人家の間の路地を抜けてすぐ左折、そのまま杉の植林地に入ります。しばらくはあまりぱっとしない杉林をたどり、小さな鳥居をくぐるとやがて雑木となりやっと山に来た気分になります。しばらくは杉と雑木の混じった林の中を電光を切って階段が続き、ちょっと我慢が必要です。

徐々にカエデが多くなってついには真っ赤な純林に:
色づく雑木林

一旦尾根に出て、獅子井戸という水場(滲みだしている程度)を過ぎるとだんだんカエデが優勢になってきます。快晴の陽の光を透してその綺麗なこと。
道がトラバースとなるとあたりはカエデ純林、邪魔な下草もなくどこを歩いてもいいようなさっぱりした林で、それだけでも気分がいいのですが、ここはそれが紅一色。これほどのカエデには逢ったことがありません。全身紅に染まってしまいそうです。通過するのがもったいなくて、落ち葉の上に座って心行くまで楽しみました。

石尊山からは大展望ピークとスリリングな岩尾根の連続:
白砂山方面の展望
カエデの林を抜けて、いきなりの急登をこなすと石尊山。断崖上の落ち着かない山頂ですが、大展望です。これからたどる高田山までの尾根に隠れる部分を除くとぐるり遮るものなし。四万川筋、嵩山、岩櫃山周辺を近景に、中景には十二が岳や榛名山、振り返れば白砂山、稲包山(この2山の圧倒的な大きさが印象的です。)、さらに遠景に谷川連峰、足尾連山まで続く遠望が得られます。
ここからの尾根は小さな登降が連続するちょっと豪快なルートとなります。意外に時間もかかります。しかし、ピークピークでちょっとずつ変化する展望が楽しみでもあり、また灌木混じりの岩を登降するのも愉快で、ワイワイやっている間に高田山に達することができます。

展望は期待ほどではないものの静かな雰囲気の高田山:
途中ピークより高田山
高田山頂上はカヤトが繁り木々も育って期待の展望はハズレです。しかし、頂上からからわずか進むと樹の間越しに草津方面の展望が得られます。草津白根や横手山が意外な近さです。
頂上付近の日溜まりでゆっくり昼食をとったり、お昼寝するには恰好の雰囲気ではあります。この時期、カヤトが乾燥しきっているので火がついたらひとたまりもないでしょう。ガスの扱いには注意しすぎることはありません。
ルートはそのままわらび峠へ続いていますが、私たちは往路をまたカエデを楽しみながら戻りました。

2015-10-24】
石鳥居

ブルドーザ道で登山道はズタズタ:

駐車場として解放されている駒岩の集会所は以前のままでした。ハイカーを迎える地元の気持ちに感謝感謝です。
登山口付近ののヤマビルに注意の看板が怖ろしげです。地元で塩水のスプレーを用意してくれていますがもう時期的に大丈夫だろうと思ってやり過ごしました。(これが間違いでこの先で恐ろしい目に遭うのですが。)
駒岩の集落を登って山道に入ると以前の登路とは一変、ブルドーザ道が交錯して旧登山道はかなり上まで行ってからでないとほぼわかりません。仕方なしそのブルドーザ道を登ることになりますが分岐がいくつもあってどちらに進むべきかかなり迷います。じっさいはどの道を使っても最後には旧登山道の取り付きに出るようです。(ただし道は現在も延伸中で状況は変わるかもしれません。)
ブルドーザ道から登山道に取り付くとすぐに石鳥居をくぐります。ここからしばらくはじめじめした杉林の道が続きます。
ここまでの途中で2度ヤマビルに遭遇しました。最初は道に這っていたのですがその次にはメンバーの脛に這い上っているのを見つけて危ういところでした。この時期でもまだ安心は出来ません。

まだ緑のカエデ林:
緑が美しい尾根(^_^;
 

杉林を抜けてジグザグ道になるといよいよカエデが目に付くようになりますが、どうやら時期的に早すぎのようでまだまだ緑が美しいありさま、ちょっと時期を間違えたかなぁ。それでもやっぱりカエデ類の林はこの時期になっても緑が濃くなりすぎることがなく美しいです。
登るにつれてぽつぽつ色づいた木も混じりだしますが結局最後まで一面真っ赤な紅葉には出会えませんでした。赤もあり緑もありという程度のまま稜線に出てしまい最後に急登をこなして石尊山頂上です。
頂上には石祠と山名板があり大きく展望が広がっています。しかしその展望もあまりに穏やかな天候のせいで全体が靄ってしまって近景のみに限られてしまいました。遠くは赤城山さえやっと輪郭がわかる程度でちょっと残念です。それでも北側は多少見通しもきいて白砂山、稲包山、谷川連峰あたりまではなんとか展望内になっていました。
山頂の小さな石祠ですが下山後地元でお話を聞いたところこの石尊山は登山口の駒岩で祀り、一方高田山の山神様は向こう側(とおっしゃっていました。どこの村かはわかりませんがたぶん地図から察するに沢渡でしょうか。)で祀っているとのことでした。

          石尊山頂上

稜線の紅葉
以前より難儀になった稜線の登降:
石尊山からいよいよ小さな登降を繰り返す稜線の縦走です。灌木が茂っているため高度感はそれほどでもありませんが木々の隙間から足元を見下ろすと断崖だったり岩場だったりしていてかなり危険なルートであることがわかります。それに加えて木の根や岩角を頼りに登降しようとしても以前より荒れ気味で少し緊張させられるような箇所が増えた感じがします。
なお、途中の固定ロープは切れかかっていますので全体重をかけないように注意が必要です。(2015年現在)
稜線まで来れば色づいたカエデ類も多くなりまたピークピークの展望も優れているのでカメラを構えるのに忙しくなります。
それぞれ小さなピークですので一つ一つはさほどのではありませんが連続していますから最後の高田山の登りあたりで息も上がってしまいました。最後の大登りで待望の高田山頂上、やっと一息つけます。

静かな高田山:
高田山頂上

高田山頂上は樹木とススキとで展望を隠されてちょっと残念ですがその分静かな雰囲気を楽しめます。少し先に進むとふかふか落ち葉の緩い傾斜の場所がありますのでゆっくり昼食をするのにもってこいです。
しかしのんびりお昼にしようとしていたら尾根の先の方からなにやら動物の鳴き声がします。何かと思ったらなんと猿の大群がやって来ました。少なく見ても10数頭はいます。見張り係がしきりにこちらを窺いながらなんだか全体がこっちへ徐々に迫ってきそうなので早々に昼食を中断して引き上げました。こんな頂上まで猿になんの用があるのか不思議です。
頂上からは往路をそのまま戻りましたが会ったハイカーはこの帰路での2人組だけで静かな高田山を楽しむことができました。
下山のブルドーザ道の分岐での選択はけっこう難しく、登路の記憶がほとんどないことに気付きました。ま、いずれの選択をしても下って行けば駒岩付近には出るとは思います。

     柿をほおばる猿
頂上で猿の群れに遭遇しましたが、なんと駒岩の集落にも猿の群れが降りてきていました。裏の畑の柿が目当てのようで柿の木の上に1頭、周囲に数頭の猿が動いていました。頂上の群れとは違って人家近くの猿は人擦れしているのか悠然としたもので近づいても平気で柿をほおばっていました。あまり近づくとさるかに合戦の例のように渋い柿をぶつけられてはたまらないのでやり過ごしました。

【便利帳】 トイレ:四万湖とさらに道筋にもう一カ所トイレ付き駐車場があります。
【収穫】(^^; 2003-11-2 13片 22g 
2015-10-24 6片 10g
ゴミの少ない気持ちよい山でした。
【寄り道】  沿道には何軒かリンゴ農家の直売店があります。 
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