目次

  茂来山 もらいさん 1717.8m  

巨樹の森を登って佐久の展望台へ 
 

千曲川を挟んで八ヶ岳と対峙する茂来山。ちょっと地味目で八ヶ岳や浅間山などの陰に隠れがちですが麓から見るどっしりとした姿は登高意欲をそそります。とはいえ、登高というほど頑張る必要もない誰でも楽しめる山です。
「こぶ太郎」や「大王トチノキ」と名付けられたトチノキの巨木や白花のトリカブトなど自然好きのハイカーにとっても魅力溢れる山ですし、また展望好きには佐久平の広がりをはじめ、八ヶ岳、浅間山、北アルプス、南アルプス、奥秩父、西上州などぐるり名だたる山塊の大展望が楽しみな山でもあります。


   茂来山頂上

   八ヶ岳、南アルプス
【日程】 2017年9月18日
【山域】 佐久
【天候】  晴れ 
【アクセス】 上信越道佐久ICまたは中部横断道佐久南ICより国道141へ。

佐久穂町に入ってまもなく千曲病院入口交差点を(千曲病院とは逆の方向に)左折して国道299十石峠方向へ。
最初に見る茂来山案内板は槙沢コースへ行く道なのでやりすごして、右の写真の看板のある場所から林道に入ります。右手の林道入口にも案内があります。
その先の林道にも分岐があって少しわかりにくいですが要所に案内がありますのでそれに従って駐車場まで。
林道はその先まで続いていますが2017/9現在伐採作業のため進入できません。
【駐車地】
二十台ほど。
登山ガイドのパンフレットが置いてあります。
駐車場先の林道には入れませんので、駐車場から林道奥の以前の登山口までショートカットの歩道が通じています。
【コース】

駐車場登山口−林道奥旧登山口−コブ太郎−大王トチノキ
−シラカバ林急登−稜線−茂来山(往復)
実行程約4時間 一般向き 
【メモ】
なだらかな登山道:
霧久保沢沿いの林道を走ると右手にやや広い駐車場がありその先で伐採作業のため通行止めとなります。(2017/09現在)
以前はさらに奥まで林道を走れたらしいですが現在は駐車場からかつての林道をショートカットするように歩道が付けられています。
歩道を上って一旦林道奥に出た地点が旧登山口のようです。すぐまた歩道が続きしばらくはのんびりと緩い上りが続きます。
やがて右に「コブ太郎」というトチの巨木が現れます。樹齢250年だそうです。
さらにこの歩道を上った先に「大王トチノキ」と呼ばれている巨木もあります。こちらは周囲にたくさんのトチの実をまき散らしていました。その気になればいくらでも収穫できそうですが、残念ながらあく抜きの処理などややこしい手順も知らないしかなり手間もかかりそうなので素通りしました。

   コブ太郎

   大王トチノキ
このあたりからちょっと季節遅れではありますがトリカブトとサラシナショウマの花がたくさん見られます。トリカブトは花色が白の株がほとんどで最初萎れかけて色が抜けたのかと思っていたらどうやらそうではなく初めから白色のようです。ほとんどが葉が枯れかけていますが一部まだ元気な株もあってその咲き始めの花もやはり白花でした。

真新しい熊の爪痕
巨木の森から急登のシラカバ林へ:
大王トチノキを過ぎたあたりから徐々に傾斜もきつくなり、トチやブナの森からシラカバの林あるいはシオジの林へと移行していきます。急登の苦労はトリカブトやサラシナショウマの花が慰めてくれます。
汗を絞られたところでひょっこり稜線に飛び出します。稜線に出たところは槙沢コースとの合流点になっています。
左に折れて尾根をたどると待望の茂来山頂上です。

絶景の頂上:
浅間山
頂上には石祠、三角点、いくつかの石碑が建っています。なかに皇太子殿下登頂を記念した小さな石碑もあります。
頂上からはほんのわずか樹林が邪魔して北八ヶ岳方面を遮っていますがそれは自分の位置を変えればほぼ全方位の展望が広がっています。北に浅間山、湯ノ丸山方面が間近です。その左奥には北アルプス、さらに左の西方向には至近距離の八ヶ岳、その左奥に南アルプス、やや近く南方向に奥秩父、そして東には西上州の山々、なんと広大な眺めでしょう。
残念ながら台風の置きみやげの残り雲のせいで北アルプスも八ヶ岳も頂稜部だけわずかに隠されてしまっていましたがそれでも全体息を呑む眺望でした。
また眼下に広がる佐久平も家並みや田圃を配してまるで箱庭のようです。
昼食をとりながら心ゆくまで大展望を楽しみました。
帰路は往路をそのまま戻りましたが、稜線からの急な下りは滑りやすく注意が必要です。

茂来山の花

 ミズヒキ

  サラシナショウマ

  トリカブト(白花)
【便利帳】 トイレ:なし(途中の道の駅やコンビニでお借りするしかありません。)
コンビニ:国道141沿いに多数。国道299に入るとありません。
【収穫】(^_^;  11片 90g
目次