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松倉山 まつくらやま345.4m

一等三角点本点の山

茂木の丘陵地の一角にある松倉山、低山といえ一等三角点本点の山です。とは言っても全山樹林に覆われて残念ながら展望はほとんど得られません。代わりに静寂と常緑広葉樹林が魅力です。
頂上の北に長久寺観音堂があり、山上とは思えない立派な造りの堂宇にびっくりです。信仰の篤さを物語るような歩きやすい参道が麓からこの観音堂まで続いています。
麓の山内甲や山内戸越の棚田の続くたたずまいは茂木町のあちこちにある典型的な景観で心和みます。

下山に使ったルートは一般ハイキングコースではありません。(往路を戻ればファミリー向きです。)

      松倉山頂上       うねうねと続く茂木の丘陵(芳賀富士)
【日程】 2014年2月1日
【山域】 茂木
【天候】 曇り

【アクセス】 茂木から国道123号を走りツインリンクもてぎを過ぎて、新那珂川橋で那珂川を渡ってすぐ左折、200mですぐ右折。道なりに走り山内甲で十字路(左手に河又と山内戸越を示す道路標識があります。)の右先にゴミ収集所のある空き地。
【駐車地】
地元の方に聞いたところ空き地は町の土地で駐車しても大丈夫ということでした。ただし、町が駐車場として用意しているわけではありませんので実際には勝手に駐車してしまうことになります。
【コース】
駐車地 - 登山口 - 参道 - 切り通し
- 松倉山頂上 - 観音堂 - 烏山側車道終点
- 下山道(藪) - 山内戸越 - 駐車地

全行程 1.5時間
【メモ】
茂木の最奥へ:
杉並木の参道

以前、茂木の鎌倉山へ登った折に北の方向にうねうねと続く丘陵を眺めて以来いつかはあのあたりを歩いてみたいと思うようになりました。目立つ山もなくただただ里山がどこまでも続いている景色というのも得難いものです。
茂木町から国道123号を茨城県方向に向かい那珂川を渡って国道から離れ県道を走るようになると丘陵を縫って曲がりくねった狭い道となります。周囲はのどかな棚田が続き気分の良い道ですが、所々対向車とのすれ違いに苦労するような所もあって気が抜けません。
やがて山内に入り甲(かぶと)で県道が左に折れる交差点が登山口前です。うまい具合に空き地があります。近所の方に聞いてここに駐車させていただきました。50mほど西に進むと登山口です。案内板があってすぐにそれとわかります。表参道を示す石柱もあります。
はじめコンクリートの舗装道ですがやがて土の道となり尾根に登るとあとは尾根の少し左下をなだらかに登ります。
道は山道にしては広く両側に杉が植えられています。周囲の植林された杉とは明らかに樹齢が違うし植え方からしてもこれは参道の杉並木のようです。
樹林はかなり荒れていてアラカシやアオキなど常緑広葉樹が目立ちます。一方落葉樹もシデの仲間や山桜など樹種は豊富です。
時々樹林の切れ目から茂木の山々が見えますが羽賀富士や雨巻山などが同定できるだけであとはうねうねとどれがどこやらさっぱり分かりません。
途中、七曲りと示している案内板があり道が何度かくねくねと折れる箇所があります。ここで頂上へのほぼ半分の距離まで来たことになります。
斬新な彫りの石祠
一等三角点:
いつになっても登りらしい登りもないまま小さな石仏のある切り通しに達します。その右先が頂上への登り口です。案内標識はありませんが急斜面に少々貧弱なトラロープがぶら下がっています。助けになってありがたい固定ロープですが全体重はかけない方がいいかもしれません。
そこからほんの2,3分ほど登れば松倉山頂上です。一等三角点とおもちゃみたいに小さな社と石祠、それに2,3の山名板があるだけの寂しい頂上です。樹林が深いせいなのかあるいは周囲に人家が少ないせいなのか、里山なのに静寂に包まれていました。
展望はほとんどありませんが、樹間から高鈴山など日立の山がわずかに見えます。
一等三角点付近には地籍調査らしい杭が地面に打ち込まれていてここまでに見た杭(この調査用らしい杭は登山道にずっと続いていました。)が英字と数字の番号だったのに対しここではこの三角点の基準点名称の「白山」と記されていました。
小さな石祠を見ると斬新なデザインで、左側面に旭日、右側面に三日月が彫られています。日月神社なのでしょうか。屋根の文様もなかなか凝っていますし、台座も石積みのような模様が彫られています。

長久寺観音堂:
観音堂

参道に戻りやや下り気味に進むと前方に石段が見えその石段の上に立派な観音堂があります。石段前に茂木町道終点の杭があります。茂木町では山道といえどもあちこちに律儀に町道終点の標識杭があるのがなんか楽しいです。
観音堂にはパンフレットが置いてありますがそれによれば聖観音立像など県重要文化財の仏像五体が祀られているとのことです。
農耕馬の守り本尊だそうでかつては祭りには馬を飾り立ててお参りしたそうです。
周囲は杉やウラジロガシなどの大木が茂って静寂そのものです。
ここで登山者に会いましたが烏山の大木須から車で登ってきたらすぐ下まで来られてほとんど歩かずに済んでしまったと話していました。

下山:
荒れた小沢を下る

観音堂の石段を下りてさらに北に山道をたどるとコンクリート舗装された広場があり先ほどの登山者の話の通り車道が登って来ていました。
このあたりから麓の戸越に向けて沢沿いを下るつもりでいましたが車道工事の影響で広場の下が土場となっていて夏草が茂ったその枯れ草がヤブとなって下り口が判然としません。 観音堂から直接山道でも下りてきていないかと目を凝らしましたがそれらしい道もないのでままよとイバラのヤブを突いて下ってみました。
すぐにおびただしいイノシシの足跡が残る獣道が現れましたのでこれを頼りに沢沿いを下りました。そのうち道跡が現れそれからは沢の中に消えがちなこの道をたどって棚田の跡が残るカヤトの原を抜け、やっと戸越の集落に降り立つことができました。
あとは長閑な棚田を眺めながら甲までのんびり車道を戻るだけ。どこを歩いても茂木の風景には心が安らぎます。
【便利帳】 コンビニ:早朝はまだ開店していませんが新那珂川橋を渡ったところにコンビニ。早朝は茂木町で。
トイレ:なし
【寄り道】 馬門の滝:国道123号沿い。この時季渇水期ながら一部凍ってなかなか見事な滝です。

なお、帰路「やまびこの湯烏山」で一浴をと思って下山地で伺ったところ、もう閉鎖になってるよ、とのことでした。 
【収穫】(^_^;  18片 60g

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