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京ヶ倉 きょうがくら 990m

北アルプス大パノラマ

2012-5-13
しばらく前にその存在を知っていつか好天の日を狙ってその北アルプス大展望を見てみたいと思っていた京ヶ倉。できれば残雪に輝く真っ白な北アルプスがいいなとの思いが通じてこれ以上ない好天となりました。
じつはヒカゲツツジの群落があると聞いて欲張りにもそれも一緒にと考えていたのですが、そのヒカゲツツジの開花時期に計画した折には雨の予報で断念した経緯があって、今回の山行は少しばかり妥協して展望だけとなったわけです。しかし、この好天ですからそれで充分です。
なんという大展望でしょう。北アルプスの(長野側から見て)前面の山々が視界いっぱいです。大滝山から始まって蝶ヶ岳、常念岳、鹿島槍、五龍岳を経て白馬岳まですべて目の前に真っ白に輝いています。
さらに北に目をやると黒姫山や妙高山、南に目をやると中央アルプスの木曽駒、あるいは南アルプスの仙丈ヶ岳、さらには赤石岳まで届く展望です。もっともっと知られてしかるべき展望の名山だと思います。

2017-11-15(こちら)
高速道からは白く輝く雄大な北アルプスが一望でしたが登っているうちにみるみる雪雲がかかって見えなくなってしまいました。残念。

     京ヶ倉(稜線への登路から 右後方は妙高方面)       蛇行する犀川(生坂村中心部)
【日程】 2012年5月13日
2017年11月25日(こちら)
【山域】 信州
【天候】 2012-5-13 快晴
2017-11-25曇り
【地図】 1/25000信濃池田

【アクセス】 長野自動車道・麻績IC出口で右折して国道403号へ。麻績(おみ)村と筑北村の村界直前で右折して県道55号。差切峡を通過し、犀川沿いに出たら橋を渡って国道19号へ左折。
生坂トンネル手前で右の旧道に入り海洋センターを過ぎると生坂小学校へ左折する道(信号)がありこれを上ります。ここからは道が複雑で「京ヶ倉登山口」の案内板をたどります。小学校脇を通過し人家、畑の間を進むと程なく林道となり登山口前へ。
【駐車地】
登山口前に駐車場。数台駐車可。
仮設トイレあり。
【コース】
登山口 - 稜線 - 剣刷山往復 - 京ヶ倉
- 馬の背 - 大城(往復)

全行程 4時間半
一般向き
【メモ】
2012-5-13
これ以上ない好天:
左から不動岳、針ノ木岳、蓮華岳、爺ヶ岳、鹿島槍、五龍岳、唐松岳
 

高速道を走っているうちから北アルプスの岳望に大興奮でした。これ以上ない展望日和です。
すでに上信越道佐久付近から眼前に広がる北アルプスの穂高岳、槍ヶ岳、常念岳、鹿島槍ヶ岳、五龍岳、白馬岳と名だたる山々が視界いっぱいです。
これほど展望に恵まれることはそうそうあるものではありません。
上信越道から長野道に入り麻績ICから一般道を走って犀川沿いの国道19号へ。生坂(いくさか)村で旧道に入るといよいよ京ヶ倉への登山口を示す小さな案内看板が目につきます。
生坂村の中心地は蛇行する犀川に囲まれていて、河岸段丘状の地形の上段に小学校などがあります。
案内看板に従って登って行くとやがて林道となりすぐに登山口です。すでに数台の車が駐車していましたが、ほとんど地元のナンバーで他県からの登山者は富山ナンバーが1台のみでした。あまり全国レベルでは知られていないですが地元で愛されている山ということでしょう。
はじめはだらだらと樹林の中を登りますが、途中「おおこば見晴台」など何カ所か展望地があり頂上に着く前から絶景に大歓声でした。

お目当ての一つヒカゲツツジはすでに遅すぎ:
登路の春の花はすでにおおかたは終わってしまい、ヤマツツジやユキグニミツバツツジ(?)などちらほらという感じでした。
咲き残りのヒカゲツツジもいくつかは見られましたがそのほとんどはすでに終わっていました。花柄を見るだけでも最盛期はどんなにかきれいだったろうと想像できます。
京ヶ倉頂上 
やがて稜線に達して右にルートをとると剣刷山へ。展望が得られるという情報もありましたがアカマツなどに遮られて期待はずれでした。
稜線は良く踏まれて歩きやすいですが、馬の背という両側が切り立った岩尾根では充分注意が必要です。巻き道もありますが歩きにくく、みなさん稜線通しに歩いているようです。
所々で大きく展望が開け、そのたびに山座同定が始まってしまいなかなか足がはかどりません。それにしてもすさまじいばかりの大展望です。
この尾根そのものも岩を縫って進む楽しいルートですし、北アルプス側と反対の大きな谷の深い森なども魅力的ですが、なにしろこの展望ですから、そっちにばかり夢中になって少々この山の他の魅力を掴み損なってしまいました。それも無理からぬことかもしれません。


京ヶ倉頂上から大城:
京ヶ倉から大城 後方は黒姫山 妙高山方面

頂上手前は急な登りですが要所に固定ロープがあり難なく頂上へ登りつくことができます。
頂上は小広く、山名板や句碑などがあります。すこし樹林が邪魔するもののここでももちろん大展望です。丸太のベンチもあって休憩にちょうど良い場所ですが次々に登山者がやってくるのであまり落ち着けません。
ゆっくり展望を楽しんでから次のピーク大城へ向かいました。
京ヶ岳登路と変わらぬ岩がちの急下降急登をこなすと大城頂上です。ここは山城跡ということです。
残念ながら樹林が邪魔して京ヶ倉ほどの展望はありません。そのかわり京ヶ倉ほど登山者もやってきませんのでここで昼食としました。
ちょうどよい場所に丸太のベンチがしつらえてあり、ここから見る足下の大きな谷がなかなか良い景観です。もこもこと大樹が茂る深い谷です。展望の余韻を楽しみながらのコーヒーのおいしさ。(^_^)

2017-11-25
蛇行する犀川の向こうにうっすらと有明山

残念ながら北アルプスは雲の中:
高速道からは眼前に穂高、槍ヶ岳、後立山が白く輝いて横たわって見えました。これはいい一日になるぞ、と期待いっぱいで登りはじめたところ見る間に雪雲がかかってきてすっかり隠れてしまいました。
それでもおおこば見晴らし台あたりまではうっすら輪郭が認められたのですが肝心の稜線に出た頃にはもう有明山がどうにか見える程度になってしまいました。残念。
それでも岩の尾根が続く稜線歩きは楽しいものです。結局この日は私たち以外に入山者はなく静かな京ヶ倉を楽しむことができました。ヒカゲツツジの頃の賑わいがウソのようでした。
前回と変わっていたこと。林道入口に動物対策の扉ができていたこと、頂上のベンチの位置が変わっていたこと。あとは以前のまま変わることなく待っていてくれました。季節が異なってまた違った楽しさがありました。北アルプスが見えなかった分、前回はあまり関心の向かなかった岩殿山方面の谷と尾根の豪快さを遠目ながら見てなんだか面白そうだとちょっと心がくすぐられました。(山梨の岩殿山とは違います。)

京ヶ倉の花(写真クリックで拡大

 ヒカゲツツジ

  ホタルカズラ

  イワカガミ


では京ヶ倉からの大展望を。
     大滝山 蝶ヶ岳 常念岳 
     常念岳 横通岳 東大天井岳 大天井岳 有明山(手前)
     燕岳
   
     針ノ木岳 蓮華岳 鳴沢岳
     爺ヶ岳 鹿島槍ヶ岳
     鹿島槍ヶ岳 五龍岳 唐松岳 白馬鑓ヶ岳 杓子岳
     唐松岳 遠見尾根 八方尾根 白馬鑓ヶ岳 杓子岳 白馬岳 小蓮華岳
     後立山全景 爺ヶ岳から乗鞍岳まで

【便利帳】  トイレ:かあさん家(地元産品販売)で借りられます。登山口には仮設トイレがあります。
コンビニ:麻績ICから登山口までにはありません。かあさん家で多少の買い物はできます。 
【謝謝】 参考サイト:生坂村サイト http://www.village.ikusaka.nagano.jp/ (観光情報から入れます)
【収穫】(^_^; 2012-5-13 19片 120g 真新しい帽子を拾ってしまいました。自分でかぶるわけにもいかないのでもったいないけどゴミ袋へ。
2017-11-25 3片 10g

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