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葛葉峠・栗生山(968.2m) 人知れずアカヤシオの咲く小さなピーク群 
県道沼田大間々線(62号)は赤城の裏側を通って大間々と沼田を結んでいます。大間々から水沼を経由して山間いの麦久保を抜けると右手に栗生山の北に連なる小ピーク群が目に入ります。例年5月連休頃には一番手前の前衛ピークにアカヤシオが群生して鮮やかに色づいて咲いているのが気になります。
季節の移ろいが異常に早い今年は開花も相当早いと踏んで4月半ばに出かけました。
取り付きこそ藪に覆われていましたが、稜線には(道はないものの)境界標のための切り開きが続いていてけっこう歩きやすい尾根でした。
これが拾いものの珠玉のピーク群で、アカヤシオの群生もさることながら美しい雑木林、熊のクソだらけの野生の雰囲気、カタクリの咲く小広い沢など魅力いっぱいでした。絶対おすすめのルートです。(ルートファインディングに堪能なベテラン向きです。)
(一般ハイキングコースではありません。)

関連ページ
栗生山 http://www.kimurass.co.jp/kuriu.htm
         3峰より派生ピーク

2・3峰鞍部の雑木林

     アカヤシオ(拡大できません)
【日程】 2002年4月14日
【山域】 足尾
【天候】

【アクセス】 国道120号大間々方面から来ると水沼手前で沼田方面へ左折。麦久保を過ぎて萱野の手前に別荘地の案内板がありますからこの舗装道路を右に分岐します。この道を進むと別荘地を通過して葛葉峠へ。
あるいは水沼から上田沢に左折し(栗生神社方面)、上田沢を通り過ぎ、舗装道に従って走ると葛葉峠。
【駐車地】 峠路肩に数台
【コース】 葛葉峠 - 1峰−派生ピーク分岐−栗生山 - 派生ピーク分岐 - 派生ピーク - 前衛ピーク - カタクリの小沢
- 816m尾根 - 別荘地 - 葛葉峠
約2.5時間 ベテラン向き
【メモ】 いきなりの急登:
葛葉峠からはまったくルートの手がかりはなく、はてどうしたものかと思案しましたが、境界標がありましたのでこれを手がかりに辿ることにしました。枝を頼りに体を引きずりあげるような急登でみるみる峠が目の下に。
幸い境界標はそれからずっと続いていて、ありがたいことにそのための切り開きがあって尖った切り株に注意すればこれを歩くことができます。
最初のピークに喘ぎ登るとあとは比較的楽な尾根づたいのルートになります。仮に峠から1峰、2峰、3峰と呼ぶことにしました。さらに派生した尾根の2つのピークは派生ピーク、前衛ピークと呼ぶことにします。
2峰では直進する踏み跡に引き込まれやすいですがこれは古い山道で田沢川へ下ってしまいます。ここは右に急下降します。

栗生山までは野生の雰囲気いっぱい:
降り着いた鞍部は小広い尾根で美しい自然林となっています。右前方に派生した鋭いピークの北斜面にはアカヤシオ群落がちょうど満開となって色づいていますが、帰りにそちらに回ることにしてまずは栗生山頂上を踏んでくることにしました。
ちょっと小高くなってそこが派生尾根への分岐となっています。分岐を左に折れるといよいよ山深い雰囲気となります。すぐ下を県道が通じて別荘地も近いというのに、やはり小黒川の深い谷に隔てられているのと1峰の急峻な地形に遮られているからでしょうか、エアポケットのように自然のままの姿です。熊の糞がいくつもモッコリしていました。幾筋も鹿道が横断して足跡が入り乱れています。
3峰はアカヤシオが多くちょうど満開でした。
3峰を越えるとのしかかるような栗生山に這い上がるのですが、ここまで来ればハイカーの声も届いてきて、あっという間に頂上西の展望岩へ。

栗生山は七分咲き:
展望岩には数人のハイカーが休憩していましたが、時期も早いせいか人気の山というのに会ったのはこのグループだけ。みなさん季節の速度に追いつかずアカヤシオの時季を逸してしまいますね。
山頂一帯は満開にはちょっと早く七分咲きといったところでした。

派生尾根も良い雰囲気:
816m尾根の自然林
分岐まで戻り派生尾根に向かいましたが、かなりの急登です。途中ルートがあやふやになるもののピークに登り着けばまた境界標が現れて迷うこともありません。派生尾根一帯は美しい自然林で、北斜面にはかなりの密度のアカヤシオがあります。
さらに尾根を忠実に辿って前衛ピークにつくと境界標の切り開きが一直線に北に落ちています。一方、尾根通しに進んでみるとやがて濃い藪の中に踏み跡も消えてしまいこれを突いて進むのはちょっと難儀しそうです。
境界標切り開きを頼りに逆落としの斜面をずり落ちるように下ると右手に沢音が聞こえてきました。沢を嫌って左にルートを採ったのですがヒノキの植林地となり結局は沢に下り着きました。
この小広い沢は自然林に囲まれたとても雰囲気の良い場所で、あたりにはカタクリがいくつも咲いていました。別荘地からわずかに小高い尾根(816m標高記載)を一つ越えただけなのにまったく人の入った形跡がありません。
鋭く張り上げる野鳥の声を聞きながらしばし腰を下ろして至福の時間を過ごしました。いつまでも秘密の場所のままそっと残ってほしいものです。「カタクリの小沢」と勝手に名付けました。(^^) 
芽吹きの時季に通い詰めることになりそうです。
地形図を見てみると沢通しに下っては遠回りになるようです。そこで816m尾根をほんの2,30mほど乗り越して直接別
カタクリの小沢
荘地に出ました。あとは舗装道路を葛葉峠まで戻るだけ。