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きのこ山 足尾山 きのこやま 527.7m あしおさん 627.3m

筑波山と加波山を繋ぐ尾根

筑波の山塊の盟主はもちろん筑波山ですがさらにもう一山あげるとすれば信仰の山として名高い加波山です。その両雄をひとつの山塊として繋いでいるのがきのこ山、足尾山の長大な稜線です。常々気にはなっていたのですが昔に歩いたきりとんとご無沙汰で、状況もすっかり変わっているらしく初めての山同然の気持ちで再訪です。
稜線は北筑波稜線林道が通じていて、ほぼ舗装道歩きに終始してしまい足底に響いて戻ったときには脛がパンパン、のどかそうな山姿に騙されてしまった低山歩きでした。


            足尾山山頂

       足尾山(つぼろ台より)
【日程】 2018年3月3日
【山域】 筑波
【天候】 快晴晴

【アクセス】 北関東道からなら桜川筑西ICから国道50号水戸方向へ出てわずかに東に走り鍬田交差点で右折して県道41号へ。常磐道からなら土浦北ICから国道125号下妻、つくば方向へ出て国道を進むとそのまま県道14号、さらに県道41号となりますが道路番号が変わるだけなので道なりに進みます。
真壁町でライフル射撃場、スポーツ公園の案内を見たら山側へ入ります。その先はちょっと複雑ですがスポーツ公園、きのこ山の案内を頼りにみかげスポーツ公園まで。
【駐車地】 スポーツ公園に駐車場。テニスコート前とレストラン前(廃業)にそれぞれ10台程度。
【コース】
スポーツ公園駐車場
- 遊歩道 - 登山道
- つぼろ台(往復) − 車道 - きのこ山
- 北筑波稜線林道 − 足尾神社
- 足尾山 − 一本杉峠 - 県道218号
- 白井 - 鹿島神社 - スポーツ公園

実行程約4.5時間 一般向き


【メモ】
静かな登路:
つぼろ台

登山口まではちょっと経路が難しくナビの助けを借りましたがナビがなければ途中まで伝正寺を目指して行けば良いかと思います。要所にみかげスポーツ公園やきのこ山を示す案内板があります。
スポーツ公園にはテニスコートとゲートボール場がありますが、朝だからか人影もなく、また廃業したレストランが残っていてちょっと寂しい感じです。
レストランの左手から遊歩道に入ります。しばらく遊歩道をたどって行きますが下り道となって元に戻っちゃうのかと不安になるころ右に登山道が上がっていきます。
登山道になればあとは迷いそうな箇所もなくなだらかな尾根をひたすら登るだけ。ただこのコースを登るハイカーは少ないようで落ち葉も深く積もったままです。
あまり見どころもなく林相もちょっと荒れ気味ですが、途中につぼろ台という大石の重なった展望地があります。これから行く足尾山やどっかと大きく聳える加波山を見上げることができます。
つぼろ台直前で小鳥の声が聞こえましたが鳥かごに入ったマヒワとせわしい鳴き声を発するスピーカが掛かっていました。違法な野鳥のおとり猟のようです。今時はスピーカを使って鳴き声を周囲に響かせているのかとびっくりです。私たちが気付いたのを物陰で見ていたのか、私たちがつぼろ台から戻ってきたときにはそれらは跡形もなく片付けられていました。その手法と言い手早さと言い、きっと悪質なプロの仕業なのでしょうが、犯罪行為を承知の連中ですから危険なので関わりを持たないようにとパトロールの人に言われたことがあり、残念ですが見過ごすのが賢明のようです。

きのこ山頂上
うんざりの稜線林道:
またしばらく登りパラグライダー発進地に飛び出すときのこ山はもうすぐです。林道を横切ってから広い道を行くと東屋のあるきのこ山頂上に達します。頑張って登って来たのにゴミだらけで少々幻滅です。
山名標識はその東屋の脇にありますが三角点は一番高いあたりの笹藪の中にありました。角が欠けて放置されて久しいようです。しかし三角点こそ山頂の証だと思うハイカーも多いようで笹薮を突いて三角点まで踏み跡が続いていました。
東屋にはテーブルやベンチもあるのですが居心地の悪い山頂なので早々に足尾山を目指して出発です。
ここからは稜線林道を歩かなければなりません。きのこ山からしばらく古い尾根道の跡をたどりましたが笹藪に阻まれて諦めました。舗装された稜線林道を行くしかありません。
舗装道はパラグライダー、ハングライダー発進地を往復する車がひっきりなしに通るので気が気ではありません。地元のグライダークラブの車なのでハイカーが通ることをよく知っているためか通過するときには気をつかってくれるので事故に遭うこともないでしょうが、私たちの通る道じゃないなとちょっと違和感はあります。それよりも堅いアスファルト道路を延々と歩かなければならないのは苦痛です。

ハングライダーがひしめく様は壮観
足尾神社:
右手にハングライダーの発進地がある地点の先からやっと足尾山の登りになります。発進地では多くのハングライダーが順番を待っていて壮観でした。
ハングライダー発進地から足尾神社まで稜線を忠実にたどる山道もありますが、グライダーの発進順を待つ人から山道とは別にこの先に参道があると教えていただいたので参拝には参道をと思ってそちらから登ることにしました。あらら、こっちもコンクリート道路だ。(^_^;
神域らしい常緑樹の中、しばしの我慢で足尾神社境内に登り着きます。鳥居の奥に新しく建てられた足尾神社拝殿があります。またその手前には履き物の奉納舎があってたくさんの靴が奉納されていました。(足尾神社は足の神様らしいです。)
拝殿の右手には簡易水洗のトイレがあって助かります。
拝殿の建物の側面には石造りの烏天狗の像が彫られています。再建前からの古い像のようです。
拝殿左奥から石段が頂上目指して登って行きますが足の神様だけあって参拝するだけで足が丈夫になりそうな急な石段です。
真新しい足尾神社 左側面に古い石造りの烏天狗
登るほどに背後の展望も開け、最後に石段を登るとやっと頂上、足尾神社本殿です。広い基壇の上に石造の台座、その上に本殿がどっかと鎮座しています。台座には「葦穂山」と彫られています。
西側と南側が伐採されて霞ヶ浦、筑波山、日光連山などが一望です。もちろん関東平野も眼下に広がっていますがあいにくこの暖かさで靄が覆ってしまってうっすらその広がりを感じられるだけです。
風も弱く暖かな陽差しを浴びながらコーヒーを淹れてのんびり過ごしました。

     きのこ山、筑波山

      うっすらと日光連山

落葉樹の尾根をたどって一本杉峠へ:
一本杉峠 大杉がシンボルです

足尾山から一本杉峠まではこれまでとはうって変わって美しい落葉樹林の尾根道となります。ずっとアスファルト道を歩いてきたのでこの景観にはほっとします。
足尾山から20分ほどで車道に下り立つとそこが一本杉峠。大きなスギが峠名の由来のようです。この山域は植林地もヒノキばかりでスギはあまり見かけませんので昔から大杉は目立つ存在だったのかもしれません。
峠からは加波山方面に向かう稜線林道と交差して右と左に車道が下っていきますがどちらも車両は通行不能です。驚くことには通行不能なこの道はなんと県道で、それなのに車両どころか歩行にも苦労する箇所があります。オフロードのバイクは通るらしいですが道は崩壊し沢と化していますのでそれすら最難関かもしれません。
でも、全体花崗岩で成り立つ山域なので風化した花崗岩の砂で濾過された沢水は濁りもなく惨憺たるありさまの道路にきれいな流れを作っています。

     県道218号

       険道と揶揄されますがもはや道ですらない(^_^;
途中花崗岩の採石場をいくつか横目で見ながらやっと里に着くとそこから駐車地までの舗装道歩きが待っていました。
下り着いた白井の集落はがっしりした造りの立派な家が多くよく手入れされた庭など眺めながらのんびり戻りましたが、それにしても周回コースを採ったためとは言えつらい舗装道歩きでした。
【便利帳】 トイレ:みかげスポーツ公園ゲートボール場、足尾神社
【収穫】(^_^; 37片 220g 車道付近はあまりのゴミの多さにギブアップ(;_;) タイヤ、ブラウン管、自転車...不法投棄の山でした
【寄り道】  真壁ひな祭り:帰りに街を通り抜けながら覗きましたが終了時刻が迫っていたのですでに一部片付けはじめていました。
煎餅屋仙七:里に下った白井に工場と直売店。(概念図) せんべいの他に仙七団子も。もぐもぐポリポリしながら駐車地へ。
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