目次
権太倉山 ごんたくらやま 976.3m

展望の権太倉山から錦繍の滑沢が続く隈戸川へ

2016-11-12 (こちら)
関東のハイカーにはあまり馴染みはないかもしれませんが、関東からも意外に近くて県道からいきなり登山道という便利さもあり低山ハイクにはもってこいの山です。
高山の紅葉も終わり錦繍が麓に降りてきた晩秋の一日を楽しんできました。ちょうど紅葉真っ盛りの隈戸川支流滑沢、赤や黄を纏った聖ヶ岩など見所満載でした。

2021-11-6 (こちら)
見事な紅葉を期待して出かけましたがちょっと時期が遅かったようで盛りを過ぎていました。前回の時期より早いというのに年によって季節の進み具合はずいぶん違うようです。その代わり空気も比較的澄んでいて展望を楽しめました。布引山の風力発電の風車群は圧巻でした。


      権太倉山頂上
          モミジ
【日程】 2016年11月12日(こちら)
2021年11月6日(こちら)
【山域】 福島
【天候】 晴れ

【アクセス】 東北道矢吹ICから国道4号を北へわずかに走って矢吹中町で県道58号左折。あるいは国道最初の交差点を左折して工業団地を通る近道もあります。
あとは県道を羽鳥湖方向へずっと道なりに走って、途中国道294号を横切りさらに道なりに山間に入り聖ヶ岩ふるさとの森ビジターセンターまで。
矢吹ICより18〜20kmほどです。(インターを出てからの経路によりちょっぴり差があります。)
【駐車地】
ビジターセンター前に大駐車場。

(ビジターセンターにトイレあり。)
【コース】
ビジターセンター前登山口 - 風穴
- ザル山巻き道 - 馬の背分岐 - 権太倉山
- 馬の背分岐 - 隈戸川支流滑沢
- 北の入橋(県道) - ビジターセンター

初心者向き 3.5時間
【メモ】
聖ヶ岩
(2016-11-12)
色づく聖ヶ岩:

矢吹インターからいかにも東北らしい景色の中を走って山間に入ると紅葉が始まりました。道幅が狭くなり林道同然になると左手に聖ヶ岩ふるさとの森ビジタセンターがあり、一帯がアウトドアの施設になっています。
頭上に聖ヶ岩がのしかかるように聳えています。岩登りのゲレンデだそうです。対岸も大きな岩場で、共に色づいたモミジと針葉樹の取り合わせが鮮やかで
ここだけを楽しみに訪れる人たちも多いようです。
低山といえどこの一帯は太平洋側(中通り)と日本海側(会津)とを分ける分水嶺ですので気の早い季節風のせいでちょうど頭上が太平洋側の快晴の冬空と日本海側のどんよりとした雪雲の境目となって青空が広がったかと思うと突然白いものがちらちらしたりしてあわただしい空模様でした。
県道を50mほど戻った地点が登山道入口です。いきなりの急登ですが、紅葉の落葉樹林の風情が美しくカメラを構えたりしながらぐんぐん高度を上げます。
途中風穴があるはずですが、案内板などなく(たぶん壊れてしまったようです。)通り過ぎてしまいました。あとから、あれがそうだったんだね、とそれらしい大石の折り重なる場所がありましたがいまさら引き返す気にもならず今回はパス。
杉の植林地で道は平坦となりそのままザル山巻き道となります。ガイドブックなどではザル山を登るルートもあるように記述されていますが、分岐の道には気付きませんでした。薄い道跡程度になってしまったのかもしれません。
聖ヶ岩対岸岩峰(撮影 kuwa-nyanさん)

頂上から羽鳥湖を望む
展望の権太倉山:
道はザル山を巻いてから馬の背に達しわずかに平坦尾根を歩いてから徐々に急登となります。再び紅葉の美しい尾根となりますのでカメラを構えるタイミングがよい小休止になります。
林床が笹に覆われて来ると頂上も近いですが最後の急登に汗を絞られます。
飛び出した権太倉山頂上は眼下に福島南部の丘陵帯を見下ろし、近くに高山もないためかお山の大将的な高度感があります。
晴れれば飯豊連峰まで届くと聞いている展望も近くの二股山あたりが限度で阿武隈方面さえシルエットでしか見えません。
そのかわり近景の丘陵地帯の展望はうねうねとどこまでも続いて思わず「渋いなぁ」とつぶやくようなうれしい景観です。どこがどこやら判別しがたい景観の中で羽鳥湖だけが目立ちます。またその左手にたぶん自衛隊の布引山演習場らしき建物も見え、この2つが方向を見定めるよいポイントになっています。
風が強くて頂上にいられないので一段先に下がって昼食にしました。

隈戸川支流:
かわいい甌穴

頂上から一旦馬の背分岐まで戻りここから隈戸川支流を目指して登りとは別のルートで下山です。
途中ハイイヌガヤという矮性カヤの群落がありました。この地方では珍しい群落だそうです。
道はやがて小沢に降り立ちます。沢底がコンクリートでも流し込んだかと思えるほどの真っ平らな岩盤で不思議な景観です。これが話に聞く隈戸川源流の滑沢かと思いましたが、さらに沢に沿って下ったらじつはこれは枝沢でもっと大きな沢に合流しました。隈戸川源流の支流の一つのようで、さらさらと美しく優しい流れがどこまでも続きます。沢身を歩いても靴底が濡れる程度でピチャピチャと子供のころに返った気分になれます。
沢底を注意深く覗いてみると所々に甌穴が見られます。沢も浅く流れも優しいので甌穴もそれに相応しいかわいい大きさです。しかし小さいと言えどちゃんと甌穴を形成する原因となった小石が穴底に数個沈んでいました。

   隈戸川支流のナメ    どこまでも続く滑沢

色づくモミジ(隈戸川)
紅葉真っ盛り:
ナメ沢沿いもきれいに色づいていましたが県道に出るとさらに錦繍の中を歩く道となりました。
赤く色づいたモミジもきれいですが隈戸川沿いは黄色のモミジも多く谷全体が黄に染まったかのようでした。
隈戸川本流沿いのモミジ(撮影 kuwa-nyanさん)
色づく県道沿いの樹林(撮影 kuwa-nyanさん)

登路の紅葉
(2021-11-6)
やや遅かった紅葉:
時期が遅かったせいかあるいは季節の進み方が乱れたせいか紅葉はいまひとつでどうも色づく前に枯れ葉になってしまったようです。ちょっと残念でした。
それでもカエデ類はきれいに色づいてあたりをぱっと明るくしていました。
登りはじめて15分ほどで岩の折り重なる斜面に風穴の案内板がありました。岩の隙間に30cmほどの穴があいていてわずかに風が吹き出ています。前回見落としてしまったところです。

  風穴

頂上からは大展望:
磐梯山 わずかに猪苗代湖も

頂上では大展望が待っていました。前回は靄って遠望はかないませんでしたが、今回は遠く磐梯山や猪苗代湖も一望です。
眼下には羽鳥湖や自衛隊の布引山演習場、ちょっと離れて二俣山、大戸岳など周辺の山々がうねうねと続いています。猪苗代湖までの景観は平坦で高原状の地形が拡がっています。その中で布引山はたくさんの風力発電風車群を連ねて圧巻です。以前わざわざ見物に行ったことがありますが、そのとき至近で熊に遭って肝をつぶしました。風車を縫って車道が縦横に走っているとはいえそこが奥深い山だと言うことを改めて知りました。
布引山 風力発電風車群

【便利帳】 コンビニ:国道4沿い、矢吹中町県道交差点。
トイレ:聖ヶ岩ふるさとの森ビジターセンター
【収穫】 2016-11-12 11片 400g (^_^;
目次