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二股山 ふたまたやま 569.8m

雪害で一変した登路

鹿沼周辺から一目でそれとわかる二股山。名前の通りの姿です。
何度も通っている山ですが前々年、前年と連続して栃木県南部の植林地が壊滅的な雪害と水害を受けて沢筋の登山コースがどこも通過困難となって以来登ったことがなく久しぶりの再訪となりました。
案の定バリエーションルートはもちろんのこともっとも易しいといわれていたコースさえ通行不能となっていました。
その代わりに以前はあまり歩かれていなかったコースがすっかり整備されて以前にも増して登りやすい山になったようです。

なお、これまで公開していた二股山のページに記述したコース(コース略図参照 点線の経路)は登りコース、下りコースとも通過困難となっています。そのため旧い二股山のページは全面的に削除しました。


      北峰頂上
        頂上より男体山
【日程】 2016年2月28日
【山域】 鹿沼
【天候】

【アクセス】 鹿沼より古峰ヶ原街道を走り、上日向交差点で右に折れる古峰ヶ原への道を見送って直進し、加園で右折。
二股山を見上げて頂上が見えるとその付近が下沢で、ここで旧道らしき路に入り込むと延命地蔵があります。案内板に従って左折すると登山者用駐車場。
【コース】
駐車場 - 砂防堰堤 - 登山口 - 中坪上沢
- 尾根 - 展望地 - 南峰 - 北峰
- 尾根コース - 下沢城址 - 登山口

全行程 3.5時間 休憩含む
【メモ】
惨憺たるありさまの中坪上沢
いまだ残る雪害の傷跡:
2014年に発生した栃木県南西部の大雪のためこの山域の人工林には多大の被害が発生しました。とりわけ杉の植林地の被害は甚大でした。
加えて2015年には鹿沼地方に豪雨があり中小河川の氾濫が多数発生し、当然その上流部でも土砂崩れなどがあちこちで発生しました。
この2度の災害のためこのあたりのハイキングコースはどこも惨憺たるありさまで、とくに沢筋の道は倒木や土砂崩れで通行不能のまま復旧できていないケースが数多くあります。
この二股山も例外ではなく下久我からのもっとも簡単な登山コースが通行不能となっていました。これは頂上のアンテナの保守用として整備されたらしい道でしたが沢筋を経由していたため被害を被ったようです。また以前よく下山路として使っていた下沢地区の奥に流れる中坪上沢添いの道も完全に消えていました。

駐車地から少しだけ広い道が続きますがすぐに登山口となります。
道は二手に分かれます。直進すると中坪上沢から南尾根に出て頂上へ、右に折れて登ると東尾根を経て頂上へ。私たちはこの二つのコースをつなげて周回することにしました。
沢沿いの道は以前の荒れた沢道とは打って変わってよく整備されていて道標もうるさいくらいにたくさん備えられています。沢そのものは倒木が折り重なったり土砂が崩れたりとひどい景観ですが道は少し沢から外れた斜面に新たに作られていてよくぞここまで復旧させたものだと頭が下がります。
やがて道は沢から尾根へ向けて電光を切って一気に高度を上げます。

南峰頂上 雷電神社
快適な南尾根:
しばらくの頑張りで支尾根(南東尾根)に登り着きここからは尾根道となります。樹林も杉、檜から落葉樹へと変わり陽を浴びて歩けるようになります。
加園から登って来た南尾根の道に合流してすぐに展望地の案内板があり安蘇、足尾方面が一望できます。あいにく好天過ぎるせいで全体に靄がかかって遠望はききません。
南尾根はヤマツツジが多く花期には紅い花々でにぎやかになることでしょう。

露岩も多くヒカゲツツジが目に付くようになると目の前に石祠が現れます。石祠の背後には大きなヒカゲツツジが育っていて周囲もヒカゲツツジだらけです。そしてそのすぐ先が南峰頂上です。日光方面、足尾方面、鹿沼の山々が眺められます。しかし、なんとも残念な靄が漂っていて展望も限定的です。
ここで大休止としました。早春の陽を浴びながらコーヒーを淹れて至福の時。(^_^)


鞍部
険しい鞍部から北峰へ:
南峰から北峰は手の届きそうな近さです。が、険しい鞍部が2つのピークを隔てていてこの2峰と鋭角的な鞍部とで「二股山」が形成されているというわけです。
木の根だよりで急な下りをこなすと鞍部の底。ちょっと薄暗くこの山全体の穏やかで優しい雰囲気とは異質の険しさがひしひし感じられます。
以前はよくここから中坪上沢を下沢集落まで一気に駆け下ったのですが(当時も整備されてはいませんでしたが)すでに道形は完全に消えていました。
登り返しは南峰の下りとは違って岩がちで頼りとなる木の根も少なく岩角や固定ロープを手がかりに登らなければなりません。
振り返ると鹿沼方面が一望ですが展望は頂上に着いてからと言うことにして一気に這い上がりました。
頂上には石祠があり東側に大きく展望が開けています。ただNHKのアンテナとその建物がどーんと一角を占めていてちょっと残念です。山間地でTVを見られないのも困りますからそれも致し方ありません。
先ほど南峰で休んだばかりですがここでも大休止にして軽く昼食としました。
登山口を眼下にやや中景に深岩の石切場跡、その先に岩山、さらに鹿沼市街などを眺めながらの休憩です。
頂上からはこれから下る東側の尾根を見下ろせます。だらだら下るものと思っていましたが意外に急な尾根のようです。見たところずっと植林地が続いていますのであまり景観の期待はできません。

     頂上から深岩、岩山

     下山路からカマドクラ

下山: 
アンテナ前を通って長い尾根のスタートです。途中にカマドクラ方面を見晴らす場所もありましたが他にはとりたてて何があるというわけではなくちょっと退屈な尾根でした。
下沢城趾を過ぎると尾根途中から一気に下ってヤブツバキ群生地を通って登山口に飛び出します。
【寄り道】 二股山からは鹿沼の街の反対側になりますが、宇都宮餃子「正嗣」の鹿沼店があります。
【収穫】(^_^;  18片 30g