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堂平山 笠山  どうだいらさん 875.9m かさやま 837m

かつての東京天文台が天文ファンのための天文台となって親しまれている展望峰

比企丘陵から見て一目でそれとわかる堂平山と笠山。堂平山は頂上に建つ天文台で、笠山はその名の通りの姿で、それぞれ誰でも一度その名を聞いたときから印象に残って忘れることはないはずです。
かつては東京大学東京天文台、その後国立東京天文台として日本の天文学を支えたということですが、実は管理人は若い頃ここの設備の仕事をしたことがあって今も他人じゃない気がしています。それはさておき、そんな事情がないとしても大好きな山のひとつです。なんといっても魅力はその展望です。一等三角点峰で関東北縁の山々を一望する絶好の位置にあって日光、足尾、赤城、上越国境、草津、浅間とぐるり半周するその展望はここならではのものです。また関東平野の展望台でもあり晴れれば遠く筑波山まで視野の中です。管理人の住み処が北関東ですので個人的にはなおさら親しみの湧く絶景です。
車を使えば労せずこの展望を我がものにできるのも魅力と言えば魅力です。あまり歩くのは難しい人もここからなら大展望を楽しめます。労苦の結果を楽しむ山もけっこうですし、またこんな誰でも楽しめる山もあっていいと気付かせてくれます。


      堂平頂上 一等三角点と天文台
          笠山頂上(西峰)
【日程】 2017年2月25日(こちら)
2020年2月1日(こちら)
2020年12月12日(こちら)
【山域】 奥武蔵
【天候】 快晴

【アクセス】 寄居から県道294号あるいは小川から県道11号で落合橋経由で定峰峠、白石峠という経路の予定でいましたが雪のため通行止めとなっていて結局ときがわ町からとなりました。ときがわ町から県道172号をたどれば白石峠。冬期使用できるのはこのルートのみのようです。
ルートは分かりにくいですが要所に天文台を指し示す案内がありますのでそれに従います。
【駐車地】
天文台入り口前に3〜4台分。入り口を入ったところにも。
天文台にも駐車場がありますがこちらは施設利用者のためで登山者用ではありません。
白石峠からの途中に広い駐車場がありますのでそちらに駐車して剣が峰の尾根を歩くのもいいかもしれません。
【コース】
天文台入口前駐車場 - 堂平山 - 七重峠 - 林道
- 笠山西峰 - 笠山東峰(笠山神社)
(往復)

初心者向き 3.5時間(休憩含む)
【メモ】
浅間山
2017-2-25
車で高みへ:
登る登る、こんなに車で登ってしまっては歩くコースがなくなっちゃうんじゃないかと思う頃やっと白石峠へ着きます。白石峠は各方面から道路が集中していて分かりにくいのですが幸いというかなんというか堂平山への道以外は凍結のため全て通行止めでした。
ここから天文台目指してさらに舗装道を走ると天文台の入口が現れます。門の手前にわずかな駐車地がありここから標高差ほんの20mほどの登りで堂平山頂上です。ホントに歩くコースがなくなっちゃう結果となりました。(^_^;
でも簡単に登り着いてしまうからつまらない山かというとそんなことはありません。素晴らしい展望です。
まず目に飛び込むのが浅間山。右に草津、上越国境、赤城、足尾、日光と続きます。一旦関東平野となってその先に筑波山まで届く遠望です。あいにく靄って南の展望は遮られましたがそれでも丹沢や奥秩父なども眺めることができました。
一等三角点のある頂上には展望写真が据え付けられていますので誰でも山岳同定が楽しめます。

    谷川岳

    大霧山

堂平山下降路の落葉樹林
笠山まで:
展望を楽しんだら笠山を目指して一旦下降します。
パラグライダーゲレンデの脇を通って落葉樹の美しい登山道を急下降します。
降りきったところが七重峠で車道が横切っています。左前方に少し下り気味の登山道がありますのでその道を進みます。道の左側には桜が植栽されています。花の時期も近いので蕾がもう膨らんでいました。
さらのその先で一度林道に下り立ち少し左に林道をたどってからいよいよ笠山の登りです。
途中急斜面や露岩尾根などもありますが危険なことはなく容易に笠山頂上に登り着くことができます。
頂上が近づくとアセビが多くなります。アセビのトンネルが印象的でした。

笠山:
山頂の笠山神社

ひょっこり飛び出した山頂は西峰で、北に展望が得られます。木々が少し邪魔になりますが山麓の山村のたたずまいが心和む風景です。
双耳峰のもう一方のピーク東峰へはほんの一投足です。東峰は樹林に囲まれていて展望は限定的です。
笠山神社が鎮座しています。その神社の前方にわずか下ると今までこの笠山のために遮られていた東北方向の展望が得られます。足元が急斜面で高度感がありますが見下ろす比企丘陵はのどかでその対比が少し楽しい景観です。
帰路は来た道を戻ります。堂平山まで戻ると自転車やバイク、自動車で登って来た人たちが展望を楽しんでいました。車いすの人も展望を楽しんでいてこういう高みまで車で登れる山もいいもんだと気付きました。
朝も早かった出発時には2人のハイカーに会っただけでしたが、お昼時とあって山靴の人も多くなっていました。たぶん私たちのようなちょい歩きではなく比企三山、あるいは外秩父縦走を歩き通す意気込みのみなさんのようでした。

東京天文台:
冒頭で書いたように昔ここの設備の仕事をしたことがあります。頂上まで行き着くのに閉口した記憶があります。ハイキングならなんの苦にもなりませんが仕事となると山道はなおさら遠く感じました。
その時職員に聞いた話では空気が澄んだときの関東平野の街の灯がとてもきれいだと言うことでした。そのころはまだ天文台といえば光学望遠鏡が幅を効かしていた時代なので街の灯が障害にならないのかと素人ながら思いましたが、案の定、設備が旧式となったのと相まって2000年にその役目を終えたとのことです。
現在はときがわ町が管理するレクリエーションや学習のための施設となってなおも頑張っているようです。できれば見てみたかったのですが残念ながら冬期は水道施設の凍結のため休業とのことです。

2020-2-1
ロウバイ

好天で大展望:
天気も上々で大展望を期待して再訪です。
冬期閉鎖あるいは災害復旧工事のためアクセスはときがわ町からに限られます。県道が山道になるとのどかな山村風景の中をぐんぐん高度を上げて行き白石峠に登り着きます。途中の民家にはロウバイ、紅梅、水仙などが咲き乱れていました。標高も高いのに早い開花なのはたぶん南斜面で日当たりもよいためでしょう。
白石峠から堂平山方向へは戻るように右折します。しばらく水平の車道を走ると天文台入り口、そこから堂平山頂上までわずか。2、3分です。らくちん登山にもほどがある!
快晴で大展望です。東京湾とその先の房総半島まで視界に入りました。他にめぼしい山は富士山がほんの頭だけ、雲取山がほんの頭だけ、八ヶ岳がほんの頭だけ。(^_^; しかしそこから右方向に浅間山から始まって上信国境の山々、榛名山、上信国境の山々、赤城山、(日光がちょっと雲の中ですが)安蘇山塊、遠く筑波山までぐるり名だたる関東の山々が続いています。特筆すべきは関東平野のなんという広さ。こんなひたすら平野なのは日本で他に北海道の根釧台地くらいなものです。

      東京湾 房総半島

      筑波山
両神山と八ヶ岳

2020−12−12
赤い実をつけたマユミ

初冬の陽差しを浴びてのんびりハイク:
真冬にばかり登っている堂平山ですが初冬の柔らかな陽差しをあびながらのんびり歩いてきました。
自転車の何か大会でもあったのか多くの皆さんが登ってきていました。カーブの多い道ですから細心の注意を払って運転しなければなりませんでした。しかし、よくぞこんな高みまで漕ぎ上がってくるものです。すごいなぁ。
あいにく南側は靄っていて遠望は叶いませんでしたが北側の群馬、栃木方面は榛名山、赤城山、足尾、日光など広大な眺めが展開していました。
【便利帳】 コンビニ:ときがわ町から入るならときがわ市街が最後です。
トイレ:県道:山にさしかかる直前にバス停(バス転回所)がありその脇にきれいなトイレがあります。
    頂上:星と緑の創造センター(主にキャンプ場)
【収穫】(^_^;  2017-2-25 31片 40g
2020-2-1  13片 40g 
【寄り道】  JA小川直売所:関越道嵐山小川ICから国道254に出て小川方面にわずか走ると直売所があります。
おからドーナツ:小川町駅前 三代目清水屋 お豆腐屋さんですがおからドーナツが人気でむしろドーナツ屋さん
かりんとう:花園インター先(寄居方向) 旭製菓花園工場 工場直売所
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