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茶臼岳・朝日岳 ちゃうすだけ 1915m あさひだけ 1896m

ロープウェイでらくちん大展望

台風一過の青空、大展望を楽しんできました。
あまりにポピュラーすぎてつい足が遠のいたのかメンバー全員が初めてか記憶希薄だったりでかえって新鮮でした。


      朝日岳頂上

          朝日岳
【日程】 2016年9月10日
【山域】 那須
【天候】

【アクセス】 那須ICより県道17(那須街道)へ出てそのままずっと道なり。
湯元温泉、弁天温泉を過ぎて旧ボルケーノハイウェイでロープウェイ山麓駅駐車場へ。
【駐車地】 ロープウェイ山麓駅付近に3ヶ所の無料駐車場。シーズンにより混雑で入場できないこともあり、その場合はさらに登って峠の茶屋駐車場か戻って弁天温泉駐車場へ。
駐車場を利用するには早めのスタートが肝心です。
【コース】
ロープウェイ山麓駅 = 山頂駅 - 牛首分岐
- 茶臼岳 - 峰の茶屋跡 - 剣が峰巻き道
- 朝日岳 - 峰の茶屋跡 - 無間地獄 - 牛首
- 山頂駅 = 山麓駅

一般向き 5時間

ロープウェイ料金 往復 1,300.-(JAF割引あり10%)
【メモ】
茶臼岳三角点(那須岳三角点)
意外に登っていない茶臼山:
茶臼岳は標高こそ三本槍ヶ岳に及びませんが、平野から目立つ存在でありまた三角点名も「那須岳」となっていることから那須連山の盟主と呼ぶに相応しい山です。那須の代表格といえば栃木県を代表する山の一つとも言えるわけで誰もが知っているポピュラーな存在です。
ところが山仲間に聞いてみると昔登ったことがあるが最近は行ってないなぁという返事がほとんどで、却って観光地にあることで足が遠のいているのかもしれません。現に今回同行の仲間も初めてだったりあるいは登ったことは覚えていてもその様子は記憶から消えていて初めて同然だったりというありさまです。では、と(こちらは多少登山の領域の)朝日岳とセットで出かけました。

茶臼岳へは山麓駅から約20分ごとにロープウェイが運転していてやすやすと標高1680mの9合目へ。ここまでの歩行は駐車場から乗り場までの100歩にも満たないという横着さです。(^_^;
乗客のうち一部の人たちは駅周辺で遊ぶようですが多くは茶臼岳や牛ヶ首を目指します。がっちり身支度を調えたハイカーから観光ついでの革靴の人までいろいろです。
けっこうきつくて歩きにくい登りですが見上げれば青空、見返れば那須野が原の広がりに気分も晴れます。
途中「大岩」というそのまんまの巨大な岩があり休憩にちょうどよいポイントになっています。(昭文社の山と高原地図では八間岩としてあります。)
さらにひと登りで頂上の一角、峰の茶屋と三角点との分岐です。
三角点は頂上(最高点)とは別の地点にあってちょっと紛らわしいですが那須野が原の眺めが広がる絶好の場所にあります。那須の盟主にしてはちょっと残念な四等三角点ではありますが、三角点の基準点名は盟主に相応しい「那須岳」です。

茶臼岳頂上
展望が素晴らしい茶臼岳:
三角点からわずか先に最高点があります。岩塊の折り重なる頂上部には鳥居の先に那須岳神社の石祠がありその石祠の地点が最高点、茶臼岳頂上です。
ぐるり360°の大展望です。
多少雲があって遠景は見えたり見えなかったりの状態でしたがそれでも眼下には那須野が原が一望で、また岳望も遠く尾瀬、磐梯山、吾妻山、安達太良山までとどく眺めが広がっていました。
もちろん近景の那須周辺の山々も一望で平野部からは見ることのできない山々を目の前にして裏那須の山深さをひしひし感じます。

お鉢
朝日岳へ:
火山の茶臼岳ですから頂上部には火口跡があります。
火口跡は岩屑の凹地となっています。半周ほど縁を歩いてから峰の茶屋目指して下降が始まります。
右手はのしかかるような岩壁、左は噴気口から発するゴーという音が聞こえ荒々しいいかにも火山の光景が続きます。
途中、岩が数列の列を成した不思議な地形がありなんらかの気象や噴火の影響かと興味を持ちましたがどうやら人工の物のようです。かつて硫黄鉱山があったときの名残らしいです。
下りきったところが峰の茶屋、多くのハイカーが一息入れていました。
峰の茶屋は各方向からの登山道が集まっている場所で、私たちが来た茶臼岳からの道のほかに三斗小屋からの道、牛首からの道、峠の茶屋からの道、そしてこれからたどる朝日岳からの道が集まっています。
朝日岳へはここから登りになります。眼前に剣が峰は立ちはだかっていますがここは右(東)斜面の巻き道で回避できます。この巻き道は昔からリンドウが多く咲くことで知られています。少し花期は過ぎてしまいましたがアキノキリンソウなどと一緒にエゾリンドウもたくさん濃紫の花を付けていました。巻き道が終わり鞍部を越えると左斜面の道となります。急斜面に付けられた登山道で鎖などもあって雨の時には少し緊張します。
最後の急登で汗を絞られると朝日岳と三本槍岳の分岐の小平地に登り着きます。
ベンチやテーブルもあってちょうどよい休憩場所になっています。ここから頂上までは右に折れてわずかな登りです。多くのハイカーは空身で朝日岳を往復するようです。

朝日岳:
朝日岳より流石山方面

朝日岳は大石の折り重なる山頂にちょこんと小さな石祠のある好ましい山頂です。茶臼岳同様360°の展望です。
三本槍岳、流石山、大倉山など県境の山々がすぐそこに見えます。大倉山から先の県境尾根には名も知らない山々が続き未だ人を寄せ付けない秘峰の山域です。
一方、雲も少なくなり会越国境などもかなりはっきり見えてきました。この賑わうポピュラーな山から県境尾根や会越国境など秘峰の連なりを眺めて妙な気分です。
大展望を堪能してから分岐付近に戻って昼食にしました。


       拾った寛永通宝
途中下山の道で古銭を拾いました。かなり錆が出ていますがよくよく見ると寛永通宝の文字が読み取れます。かつて三本槍岳と流石山とを分ける鞍部・大峠は会津中街道として参勤交代も通った道で、山中に石畳なども残っています。また戊辰戦争の戦場にもなったそうです。今は森に埋もれていますがかつてはかなりの往来もあったようです。峠越えの旅人が寄り道してこの山の神様にお詣りでもしたのでしょうか。遠い昔を想像して楽しい気持ちになりました。

無間地獄から牛首:
無間地獄

峰の茶屋まで戻り、さらに今度は水平道で牛首経由でロープウェイ駅まで戻ります。
右に姥が平を見下ろしながら快適に足もはかどりますが、噴気口近くを通る道で火山性ガスが漂って異様な臭いがします。一切経山や安達太良山の通行止めなどと比べるとちょっと心配な道です。
多少の登降はあるものの牛首までは難なくたどりつけます。
牛首からさらに水平道が続きます。晴れていれば那須野が原を眺めながらのんびり歩ける道ですがあいにく霧に包まれてしまいただ山頂駅に急ぐだけになってしまいました。


那須岳の花(クリックで拡大)

  エゾリンドウ
【便利帳】 コンビニ:那須街道(那須IC〜湯元温泉間)に3ヶ所ほど
トイレ:ロープウェイ山麓、山頂駅(歩行ルートにはトイレなし)
【収穫】(^_^; 14片 610g 
靴底をセットで。どう下山したんだろ。(^_^;
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