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  茶の木平 ちゃのきだいら 1620m  

明智平から往復 
 

明智平は華厳の滝、中禅寺湖、男体山が一緒に視界に入る展望でつとに有名ですが観光客に混じってその展望を楽しんでから騒音を後にしてそのまま尾根をたどるとかつて賑わった茶の木平へと登山道が通じています。茶の木平ロープウェイが廃止されて以後どんな風になっているのかと思い出掛けてみました。


   笹に埋め尽くされた茶の木平

   明智平展望台より華厳の滝と中禅寺湖
【日程】 2017年9月10日
【山域】 日光
【天候】  曇り 
【アクセス】 東北道宇都宮ICより日光宇都宮道路へ。終点清滝からそのまま国道120号。第二いろは坂を登りきったところが明智平。
いろは坂は一方通行ですが中禅寺湖〜明智平間は対面通行可能です。ですから逆に中禅寺湖方面からも明智平まで行くことができます。ただし、バスは中禅寺湖方向しかありません。
【駐車地】 明智平駐車場に数十台ほど。無料。
ハイシーズンは満杯になります。
【コース】

駐車場 = ロープウェイ駅−展望台−茶の木平(往復)
実行程約3時間 初心者〜一般向き 
ただし茶の木平は平坦で道が交錯しているので現在地の把握がけっこう難しいです。
【メモ】
たったこれだけのロープウェイ 明智平を見下ろす
明智平展望台:
ロープウェイは標高差100mほどをゆっくりと登って展望台へ。けっこうレトロなロープウェイですからゆっくりなのは仕方ありませんし、それもまた楽しいものです。展望台駅の横側から巻き上げ装置を見ることができますが産業遺産にしたいと思わせる渋い装置でした。モーターも軸受けも昔の方式のもので毎日の手入れを欠かせないタイプです。機械と人が一体となって稼働してる感じ、いいなぁ、こういうの。
登り着いてロープウェイ駅を出るとと展望台があってお馴染みの景観が目の前に。
撮影場所も狭い範囲に限定されるので華厳の滝と中禅寺湖のセットを収めようとするとどう撮ろうとも絵はがきで見慣れたみたいな構図になってしまいます。(^_^;
展望台からはよく踏まれた道が茶の木平へ向けて登って行きます。急登と言うほどではありませんがそこそこの傾斜を登らなければなりません。平坦尾根とばかり想像していたので少し面食らいました。ロープウェイで労せずして高みに連れて行ってもらうつもりが案外ちっちゃなロープウェイだったのでそれほど高くまでは持ち上げてはくれなかったというわけです。

シロヤシオ林
静かな尾根道:
ロープウェイ駅から歩き始めて最初の小さな高みを越えると草付きの気分の良い尾根の下りになります。ほぼシロヤシオの純林でそれも直径30cmほどもある巨木が次々現れます。開花期に訪れたらさぞや圧巻の花のトンネルになることでしょう。ちなみにヤシオツツジの仲間はどれも成長が極端に遅く、ある山にある大好きな1本のヤシオツツジをもう半世紀以上も見ていますが初めて見たときとそれほど幹径が変わっていない印象です。ですから直径30cmというのはどれほど年を経ているのか想像もつきません。
再び登りになるとすぐに送電鉄塔に出ますが、ここが今日のルートの中で一番の展望地です。北側の奥日光はもちろんですが南側の前日光の山々も一望です。
この先しばらく登った地点に展望台の木製のテラスもありますが周囲の樹木が成長してしまって隙間から男体山や白根山を覗く程度です。葉の落ちた晩秋や春なら中禅寺湖も見えるのかも知れません。

静寂の茶の木平:
茶ノ木平にわずかに残る草地
展望台から急登になりますがそれもわずかでほどなく平坦な茶の木平の一角に登りつきます。
ミズナラ樹林の林床には笹が繁茂してかつての草原はほんの一部に残っているにすぎません。
ロープウェイが登って来ていた頃には広々と草地が広がっていましたが気候の変動で植生が変化したせいかあるいはその頃は園地のように刈り込みでもしていたのか、今はもう面影もありません。
その代わり、かつて観光客が遊んだこの茶の木平も静寂が支配していて、わずかに残った草地に腰を下ろしていると中禅寺湖南岸尾根の良さをしみじみ感じます。
ミズナラの樹林、林床のミヤコザサ、静寂の中の鹿の声、これらは足尾から中禅寺湖南岸尾根の一帯を特徴づける深山の魅力です。ただなんと言っても出発点の明智平もすぐ足元の中宮祠も日光観光の中心地点ですので耳を澄ますと車の音やアナウンスの声などがうっすら感じられるのは致し方ありません。
この一帯は平坦地ですし登山道が交錯しておまけに一部ロープで通行遮断されていたりしますのでけっこう道迷いしそうです。方向感覚が怪しくなったのでナビの助けを借りました。
茶の木平を右回りに回り込むとかつての茶の木平ロープウェイの駅舎跡に出ます。すでに駅舎の痕跡もほとんどなく芝草の展望地となっています。眼下に中禅寺湖畔の街並み、真向かいにどーんと男体山、左手奥に奥白根山などの展望が得られます。
帰路は往路をそのまま戻りましたが、バスなどで来て駐車地に戻る必要がなければ中宮祠に下山するも良し、半月山へ縦走するも良し、あるいはぐっと難易度を上げて細尾峠を越えて古峰ヶ原までロングトレイルをこなすも良し、いろいろと選択はできます。
【便利帳】 トイレ:明智平駐車場
コンビニ:清滝
【収穫】(^_^; 33片 110g
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