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青田南葉山 あおたなんばさん 949.3m

シラネアオイ、スミレ、サンカヨウなど次から次へとあふれるばかりの花の山

豪雪地帯の低山はどこも春には花であふれます。これまで中越の花の低山をあちこち巡ってきましたがどこか目新しい山はないかとガイドブックをチェックしていたら上越高田の青田南葉山が目にとまりました。上越高田はちょっと遠いですが高速道路のおかげで日帰りできないこともなさそうです。
あいにく上天気とはいきませんでしたが、霧に包まれたブナの森は幻想的で、足下にはシラネアオイ、サンカヨウ、オオイワカガミ、ショウジョウバカマ、たくさんの種類のスミレなど森の花が次から次へ。やはり新潟の山は予想通り花であふれていました。


            青田南葉山頂上

               霧に包まれたブナ林

         トキワイカリソウ以外全ての花に会えました

     キャンプ場遊歩道から青田南葉山を振り返る
【日程】 2010年6月5日
【山域】 上越
【天候】 曇り
【地図】 1/25000重倉山

【アクセス】 上信越自動車道上越高田ICを出てすぐに右折。ほどなく南葉高原キャンプ場を示す案内板がありますがこれはやり過ごします。途中Y字交差点を経て青田川を渡った先、妙高市に入ったらすぐ南葉高原キャンプ場案内板に従って右折。そのまま林道を登って南葉高原キャンプ場まで。
何カ所か分岐がありますが往路は看板などもあり間違えることもないと思います。ただし帰りに間違えやすいので、林道の分岐の様子はよく覚えておいた方がいいようです。
【駐車地】
キャンプ場ロッジ前に10台くらい。
【コース】 南葉高原キャンプ場 - 木落し坂コース - 六合目水場 - 七合目展望地 − 青田南葉山 - 桑取分岐
- 明神沢コース - キャンプ場
実行程約4時間 一般向き

【メモ】 あいにくの曇り空:
まさに高速道路の威力。かつては私の住む栃木からははるかな山と思われた上越の山へ日帰りとは。
しかしはるばる遠出したのにめざす青田南葉山は雲に隠れていました。
スタート地点となる南葉高原キャンプ場にはキャンプを楽しむ人たちもちらほら。身支度を整えてキャンプ場の中の道を歩き出すと早くもシラネアオイとカタクリがお出迎え、今日一日の興奮の始まりです。
すぐに帰路に歩く明神沢コースを右に分け、木落坂コースへ入るやいきなり泥んこ道でさっそくスパッツを取り出しました。

森の花全開:
沢を横切ってダラダラと登るとやがてなだらかな尾根道となり、春の花が顔を見せ始めました。ショウジョウバカマ、オオイワカガミ、シラネアオイ、オオタチツボスミレなどが目立ちます。マキノスミレのかわいい花にも会えました。
雪に覆われた尾根
 
木の花もタムシバ、オオカメノキ、ヤブツバキ、ムラサキヤシオ、マンサクなど賑やかです。
ダラダラ登りは長くは続かずやがて急登となります。途中国見平、七合目展望広場などの展望地がありますがあいにく白く霧が包んでなにも見えませんでした。しかしここは展望よりははやり花の山ですから霧もあまり残念なことはありません。むしろブナの森を幻想的にしてくれます。霧の中では艶めかしい真紅のヤブツバキが映えます。
七合目の先はまた緩やかとなり雪を踏むようになります。雪に覆われた平坦尾根で足跡をはずし勝ちですが頻繁にテープマークがくくりつけられていますので間違うことはありません。
雪にのしかかられて倒れているブナですが太平洋側のブナと違って豪雪地のブナは強靱でそのうち雪を跳ね退けてすっくと立ち上がるはずです。
やがて頂上へ。

小広い頂上:
頂上は南葉山神社石祠、三角点、頂上標識を中心に小広い芝草の広場となっていいます。
そのまま進むと籠町南葉山へと縦走できるようで、雪の上に山靴の跡もありましたので実際に縦走する登山者もいるようです。
昼食を摂りながら一休みしてから、雪道を北へ下って明神沢コースを目指しました。

素晴らしいブナの森:
明神沢コースのブナの森
 

しばらく平坦尾根の雪の上を歩きますが、雪がなくなると今度は急な下降となります。
この尾根のブナの森は霧に包まれていたこともあり幻想的でいかにも深い山に来たという印象でした。巨木こそありませんでしたがちょうど元気いっぱいの樹齢で中層の落葉樹や林床の草花も濃く森全体が活き活きとしています。
桑取分岐で右に折れて下降し明神沢コースへと入ります。

花、花、花の明神沢:
桑取分岐から僅かに下るとシラネアオイ、サンカヨウが見られます。特にシラネアオイはそこここに無造作に咲いていて、関東ならばどこにシラネアオイがあると聞けば花好きのハイカーがどっと押し寄せるというのにここでは珍しくもないようです。サンカヨウも多く道の両側に群生していました。
仲間が見たいと言っていたアズマシロガネソウにも会えました。
ブナの森は積雪の影響なのか徐々に下草が少なくなり尾根と比べてすっきりした景観になっています。むしろ尾根筋より平坦な沢沿いの方が雪が積もって下草が生育できないのでしょうか。たぶん空っ風の冬を過ごす私たちには想像もできないような雪の量なのでしょう。平坦地の所々には凹地に溜まった雪解け水による池が散見されます。モリアオガエルの卵が見られました。
霧も晴れ多少展望も開けると山全体の緑に圧倒されます。ブナもなくなって低山の雰囲気になるとおびただしいカタクリが実を付けていました。花時季は凄いことになっているでしょう。
やがてキャンプ場からの遊歩道に出てほどなく南葉高原キャンプ場へ下り着きました。

青田南葉山花図鑑(クリックで拡大) 名前は余り自信ないです(^_^;

シラネアオイ

アズマシロガネソ

チャルメルソウ 

カタクリ 

クロヒメカンアオイ

マキノスミレ 

オオタチツボスミレ

サンカヨウ 

タムシバ 

ヤブツバキ 
【便利帳】 トイレ:キャンプ場