目次
雨巻山 あままきやま 533.3m

足尾山、御嶽山、雨巻山、三登谷山をつないで落葉樹と展望を楽しむ

(2010-2-21)(こちら)
雨巻山は益子の最高峰だそうです。稜線はコナラ、イヌブナ、ヤマザクラなど落葉樹が美しく、またそれぞれの頂上からは常陸の山、八溝山系、筑波山、那須、高原山、日光連山など広大な展望を楽しむことができます。
冬陽の暖かな一日、連山の縦走を楽しんできました。
スタートで道迷い、とんだ長丁場となりました。

(2011-1-23)(こちら)
普通に馬蹄形縦走。

(2020-3-1)(こちら)
馬蹄形縦走の途中から下山。

(2023-3-19)(こちら)
シキミの花

関連ページ
雨巻山(栗生より周回) http://www.kimurass.co.jp/amamakikuriu.htm


           雨巻山頂上

           雨巻山(三登谷山より)

          御嶽山頂上(鶏足山を望む)
【日程】 2010年2月21日(こちら)
2011年1月23日(こちら)
2020年3月1日 (こちら)
2023年3月19日(こちら)
【山域】 益子の山
【天候】 快晴
【地図】 1/25000中飯

【アクセス】
(2010-2-21)
北関東道の桜川筑西ICから国道50号、岩瀬で左折、富谷山の東を回り込むようにして栃木県に入ります。
ナビの助けがないとちょっとわかりにくいかも知れませんが、県道257、297、262とつないで一般登山コースは大川戸へ駐車。
じつは今回道を間違えて一つとなりの沢に入ってしまい、予定とは少し違ったコース取りとなりました。

(2011-1-23,2020-3-1)
大川戸駐車場からスタート。
【駐車地】
 

(2010-2-21)
(写真上)
堂ヶ入沢
親水公園駐車場の先まで進んで堰堤手前の路肩に停めましたが、むしろ親水公園駐車場にはトイレもあって駐車に最適です。

(2011-1-23,2020-3-1)
(写真下)
大川戸駐車場。水道、トイレもある広い駐車場です。
【コース】 (2010-2-21)
堂ヶ入沢親水公園
− 林道消滅 - 大川戸分岐 - 足尾山分岐 - 足尾山−御嶽山−猪転げ坂
−雨巻山−展望台往復−三登谷山−大川戸駐車場−地蔵院−親水公園

(2011-1-23)
大川戸駐車場 - 大川戸分岐 - 清滝(往復) - 足尾山 - 雨巻山 - 三登谷山−展望岩(往復) - 大川戸駐車場

(2020-3-1,2023-3-19)
大川戸駐車場 - 大川戸分岐 - 足尾山 - 雨巻山 - 尾根コース分岐−沢コース出合 - 大川戸駐車場
実行程約4.5時間 一般向き
【メモ】
(2010-2-21)
大チョンボ入山の谷を間違える:
足尾山頂上
 

人気の山ということで下調べもろくにせずに出かけたのがいけなかったようで、いきなり一つ谷を間違えて入山してしまいました。
予定では大川戸駐車場から三登谷山−雨巻山−御嶽山と周回する予定でいました。しかし人気の山にしては駐車場はがらんとしているし案内標識一つないし道も荒れすぎだし、半分不審に思いながら半分こんなもんかなとも思い、とにかく林道を詰めていて行くことにしました。
親水公園に車を停めて大きな堰堤を過ぎるといきなり林道は荒れてついには小沢の中に消えてしまいました。かつては使った林道らしく沢に丸太を並べて通過した痕跡があります。そこから右に折れるとブルドーザ道の跡となって荒れた小沢沿いに緩い登りとなります。
しばらく沢沿いを登ると右からしっかりした登山道を併せ、その脇に「大羽御嶽山」の開祖を祀る石柱が草藪に半ば覆われて建っています。
この分岐で初めて案内標識が現れました。なんと右に大川戸、直進に足尾山を示していて、ここでやっと谷を違えていることに気付きました。ここまで気付かなかったとは。仕方なし、予定とは逆に足尾山から周回をすることにしました。

照葉樹林への遷移過程にある沢筋:
さらに分岐があって左へ足尾山を示しています。
足尾山方面の小沢へ折れてしばらくは沢沿いの登りとなります。
アオキ、シラカシ、ヤブツバキなど照葉樹が優勢になっていて、関東北部でも手が入らなくなった山は急速に照葉樹林化していくのがわかります。
徐々に傾斜がきつくなると周囲は落葉樹となってほどなく足尾山頂上です。雑木に囲まれて展望は遮られますが静かな雰囲気の好ましい頂上です。

御嶽山頂上から広大な八溝山、常陸の山、茂木の丘陵を望む
大展望の御嶽山:
足尾山から一旦下って鎖のある急登を登り切ると御嶽山頂上。北側に大きく展望が広がっています。
印象的なのは茂木周辺の丘陵地の広大さです。延々と丘が続きその先に八溝山系のなだらかな高みと常陸の山々のうねり。常陸の山はほとんど平坦な広がりにさえ見えます。
また、すぐ隣には最近登ったばかりの鶏足山が少しだけ木々に邪魔をされてはいますがなかなかかっこよく聳えています。
この御嶽山は途中の石柱からもわかるとおり信仰の山だったようですがほとんどその名残は見つけられません。ただ一つだけ頂上から一段下がった小平地に手水鉢が落ち葉の中に残っていました。かなり立派なもので、かつてそれなりに立派な社殿などもあったろうと想像できます。しかしそれ以外は社殿の址はおろか小石祠さえ見当たりませんでした。
なお 御嶽山の山名ですが、現在頂上の山名板などは「御岳山」となっていますが途中の石柱では「大羽御嶽山」となっていました。新字と旧字の違いでしょうが、岳と嶽は元々は文字の成立が異なるということですし御嶽山の大将たる木曽の御嶽山も「嶽」ですから、ここでは「御嶽山」としました。

雨巻山まで縦走:
落葉樹林の縦走路

登る前の印象とは違って足尾山からの尾根道はけっこうアップダウンの激しい縦走路です。でも落葉樹林が美しく折からのまだら雪とマッチして楽しく歩くことができました。
途中何カ所かで大川戸からの道を併せながら高度を上げていきます。途中、猪転げ坂という急登もありますが四つん這いになるほどの急坂でもなくこんな坂で転げるようじゃイノシシはやっていけないなと可笑しくなりました。
最後の登りでは山頂の大騒ぎが聞こえてきて、下山のハイカーが「団体が占領しているので退散してきた」と憤懣やるかたない様子でした。分別盛りであるはずの中高年ですのに。
頂上は小広い平地でいくつかベンチやテーブルがあって休憩には都合良くここでゆっくりお昼にしました。さいわい団体は1グループは下山し、1グループは展望台へ出かけたのでその声は聞こえるもののやや静かになったようでした。
頂上からは南東側が開け水戸方面の展望が広がっています。水戸の市街や県庁ビルなどが一望です。
あいにく南側は高峰や仏頂山に隠され、また他の方角は樹林に邪魔されて展望は得られません。
山名板の脇には案内地図が置かれていて自由にいただくことができます。
地元の方が休憩していたのでいろいろ情報をお聞きしました。特に山名は地元の呼称を聞いておきたいものです。
同じ地元でも山の向こう側では違った読み方をしているなんてこともありますが、その益子からという方から伺った山名の読み方は「あしおさん」「おんたけさん」「あままきやま」「みつとやさん」でした。
数分先に展望台があるというので行って登ってみましたが筑波方面が見えるもののあいにくぼんやり霞んでいました。 

三登谷山頂上 芳賀富士も見える
さらに落葉樹と展望の尾根を縦走:
雨巻山からは一転して北進の縦走となります。
最初こそ平坦な尾根を西に向かいますがすぐに階段コースと岩コースとに別れ急な下りとなります。もちろん岩コースをとりましたが何のことはないわずかに固定ロープのある岩場を降りるとすぐにまた一緒になりました。
足尾山・雨巻山の縦走尾根に比べるとやや楽な尾根で、落葉樹も大木が多くさらに楽しい道です。
大川戸に向けていくつか道が分岐して下っていきます。展望コース分岐は栗生側(西側)への下山路でそのすぐ先で展望ピークとなります。さらに一投足で三登谷山頂上、抜群の展望峰です。
日光、高原山、那須が白く輝いて見えます。栃木県の平野も一望で、宇都宮の市街地も手に取るように見えます。近景はやや左に益子の丘陵、やや右に茂木の丘陵、共にのどかな風景です。芳賀富士のかわいい姿もすぐそこです。
おびただしい送電鉄塔は福島浜通りの福島原発からやって来た福島幹線でしょうか。
また振り返ると雨巻山がけっこうな高さで聳えています。
下山はそのまま尾根通しに双耳峰のもう一方を通過して一気に高度を落とすとやがてヒノキ植林地となり平坦地に降りればすぐに舗装道に飛び出します。左に折れればほどなく大川戸駐車場です。釣り堀、食堂などが何軒かありちょっとした遊びのエリアになっています。

駐車地まで苦難の車道歩き:
駐車場では皆さんほっと一息ついて帰りの身支度などしていましたが、私はこれから駐車地まで戻らなければなりません。駐車地は小尾根の向こう側で大川戸から山越えの道もありますが尾根を越えてからまた廃道同然の山道を下らなければならず、迷った上で車道を大回りすることにしました。
やはり4kmもの堅い道は足に応えますが、山里風景もまた楽しく、石仏や石塔、民家の梅の花、丘陵地の畑などを眺めながらのんびり戻りました。
途中、地蔵院、綱神社がありますので寄ってみるのもいいかもしれません。(残念ながら時間がなく前を素通りしました。)
それにしてもかなりの大回りで、最初の入山点の間違いがとんだお返しとなってしまいました。

(2011-1-23)
今度は間違いなく周回コース

駐車場から左手の尾根を目指して登り、尾根上に達したら御岳方面に行く尾根道を右に分けて尾根越えの道を下ると前回の足尾山への道に出会いました。
清滝
しばらく沢沿いの道をたどると清滝を示す案内板があり、そのまま沢を詰めると落差10mほどの清滝に達しました。滝というには水量が足らないただの断崖という感じですが雨後なら滝らしくなるのかもしれません。
道は行き止まりなので戻って足尾山へ。

三登谷山展望岩:
前回は気づきませんでしたが三登谷山頂上から西側の急斜面に固定ロープが張ってあります。頂上で入手したガイドパンフレットには展望地と記されています。頂上から見るとそれとわかりませんがロープ頼りに下ってみると展望岩があり頂上よりすっきりした展望が得られました。周囲に赤松を配してなかなか気分の良い雰囲気です。ただし急斜面なので戻るのに息が切れます。

(2020-3-1)
うららかな尾根道

尾根コースから沢コースへ下山:

いつも馬蹄形縦走ばかりなのでたまには違うコースをと思って途中から尾根コースを下山してみました。雨巻山から三登谷山への縦走尾根の途中から沢を目指して一気に下山する枝尾根です。
歩く距離が短いという理由からか稜線と沢筋を直接つなぐコースがいくつかありますがけっこうたくさんのハイカーが選んでいるようです。なので簡単に沢に降りられるのかと思っていたら意外に痩せ尾根の急斜面が続いていました。
沢に下り立った地点のすぐ下流から林道になりあとは退屈な林道歩きで大川戸駐車場まで。
途中の沢ではもう蛙がグエグエ鳴いていました。 
沢コース出合
 

(2023-3-19)
シキミ

シキミ、ミヤマシキミの花:

ミヤマシキミがたくさん咲いていました。満開はこれからですがすっかり葉の落ちた落葉樹林の中で常緑の群落はよく目立ちます。
樹林の中層にちょっと見慣れぬ白花が咲いていました。降りてきた女性がこの花何?と聞いてきましたがこっちも何だろなと思っていたところです。帰って調べたらなんとなんとシキミでした。シキミとミヤマシキミが競演していたと言うわけです。
名前は兄弟みたいですが樹形も花も大分違います。それもそのはず、シキミはシキミ科でミヤマシキミはミカン科だそうです。
【便利帳】 トイレ:親水公園駐車場、大川戸駐車場
【謝謝】 参考ガイドブック 栃木百名山ガイドブック 下野新聞社
【収穫】(^_^; (2010-2-21) 18片 80g
(2020-3-1)  7片 40g
(2023-3-19)  10片 20g

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