目次
赤見駒場城趾 赤見城趾  

赤見城、唐沢山城を展望する絶好の山城
2017-4-23 (山城巡りはこちら)
先日樺崎城趾に登ってその予想外の規模の大きさとしっかり残っている城郭遺構に認識を新たにしましたが、その際すぐ近くにある赤見駒場城にも行ければ行きたいと思いつつ下調べが不充分で場所を勘違いしていてたどりつけず結局そのまま下山してしまいました。
改めて今度はナビを頼りに存在を見定めて登って来ました。
こちらも樺崎城同様空堀や主郭の遺構などがしっかり残っていて元々の地形の急峻さを巧みに利用した堅固な山城だったことがわかります。
おりしもツツジの季節、トウゴクミツバツツジとヤマツツジの競演に里山の春を楽しむことができました。

2020-4-19 (イチリンソウはこちら)
前週満開のニリンソウを期待して筑波山に出かけたもののまだほとんどの株が1輪のみが咲ききったところで初々しい花は楽しめましたがあと1週間経てば白い絨毯かなとちょっぴり心残りでした。
そこで以前大きな群落を見つけてあった近所の鳩の峰にニリンソウに会いに行ってきました。


     赤見駒場城

    駒場城直下のきれいな落葉樹林      
【日程】 2017年4月23日(山城巡りはこちら)
2020年4月19日(イチリンソウはこちら)
【山域】 安蘇
【天候】 快晴

【アクセス】 塩坂峠(寺久保から)参照 http://www.kimurass.co.jp/shiozakatougeterakubo.htm
【駐車地】

熊野神社脇に駐車場。10台以上は駐車可能。
【コース】

熊野神社 - 塩坂峠 - 鳩の峰 - 赤見駒場城趾分岐 - 赤見駒場城趾
- ショートカット - 下山分岐 - 高速道側道 - 熊野神社

実行程約2.5時間 一般向き
(一部登山道なし)

赤見城趾
(足利方向から)
国道293で越床トンネルから佐野市に入って駒場交差点で斜め右に道の駅どまんなかたぬま方向へ。
600mほど先で旧道へ左折。町屋の集落へ入って赤見城保育園の案内に従って左折するとほどなく赤見城趾。本丸跡がそのまま保育園となっています。
【メモ】
2017年4月23日
赤見城趾:

赤見駒場城へ登る前にまず赤見城趾に行ってみることに。
いろいろネットで調べて見ると赤見城が藤姓足利氏足利俊綱の創建で、その後時代が流れて佐野氏の支配下となってからは足利の長尾氏と佐野の佐野氏との関係の中で赤見駒場城が赤見城監視の役目を担っていたことも考えられると言うことでセットで訪れるのが正しいお作法のようです。
赤見城趾は佐野市赤見町の町屋にありますが、新たに幹線道路が人家の密集する町屋中心部を避けてできてからは旧道となってしまったので隣町とは言ってもほとんど町内を通ることもなくなってしまいました。
ちょっとうろうろ探し回りましたが赤見城保育園を目安にすればたどりつけます。目安どころか赤見城趾が赤見城保育園そのものです。本丸跡がそのまま保育園の庭になっていて遊具が並んでいて城跡の面影はありません。
ところが周囲には高い土塁が残っていてさらにその外側を堀が囲んでいます。私たち素人が見ても城跡であることは一目でわかります。城域はさらに何重にも堀が囲む広大さだったらしいですが今は周囲は住宅地となっています。(土塁は一部残存しています。)
土塁上を半周してみましたが土塁も堀も残存部分はかなりよく保存されています。しかし保育園の園舎のある部分は土塁も堀も消滅していてちょっと残念です。
赤見城趾

    本丸跡は保育園

    強固な土塁と堀

ツツジの競演 トウゴクミツバツツジ、ヤマツツジ
 
熊野神社から鳩の峰へ:
駒場城へは佐野/足利市境を歩くのですが赤見城からなので佐野側の熊野神社から塩坂峠へのルートで主稜線へ登ることにしました。
熊野神社には大きな駐車場があります。先客の車が1台、この方とは鳩の峰近くでお会いしました。
塩坂峠付近は春にマンサク、カタクリ、ヤマザクラなどが次々と咲くのですがすでに花期は過ぎてしまって新緑の季節となってしまいました。それらの花に代わってツツジがちょうど開花時期で普段は地味目なここの稜線がパッと艶やかになっていました。トウゴクミツバツツジとヤマツツジに加え白いアオダモも満開で涼しげな泡のような花を開いていました。
特に最高峰の鳩の峰付近では密度が高く、冬枯れの季節にばかり登っていたのでこの季節の派手さにびっくりです。

気分の良い稜線:
樹間に赤城山

鳩の峰は(この方向のコース取りでは)けっこう急な下りで岩場が多く固定ロープが手助けになります。
所々で展望も得られ、足利方面、佐野方面が見通せます。赤城山もわずかに雪を残した姿を見せてくれました。
前回は場所を違えたのでこんどはナビを起動させたまま注意深く分岐を探しましたが、場所さえ下調べしておけばはっきりした支尾根なのでナビがなくとも地形図だけで容易に場所の特定はできそうです。

頂上の自然の地形が山城そのものの赤見駒場城:
空堀

分岐から駒場城への稜線へ入るとほどなく最初の空堀に出くわします。さらに自然の岩場を経て次の空堀が現れさらに次がという具合で三重か四重の構造になっています。その間は平坦で稜線全体が城郭だと判ります。
最後の主郭はかなりの広さで前方、左右とも急峻な自然の急斜面で天然のまま城郭が形成されているように見えます。下方を覗いても切岸など見えず地形そのものが山城になっているようです。
主稜線からここまで道らしい道もなくまた樹木に覆われて展望もありませんので山城マニア以外は足を踏み入れることもなさそうな頂上ですが静寂の主郭の一角に立って中世の歴史を素人ながら思って見るのもまた山歩きの楽しさです。


    アオダモ   
下山も楽しいコース:
頂上付近の主郭の平頂は半ば藪に覆われて自然の景観としてはとりたてて魅力もありませんが、下方を覗くときれいな落葉樹林が広がっています。この季節ではどこでも歩けそうなきれいさっぱりとした斜面ですのでショートカットでその落葉樹林を突っ切って稜線に戻ることにしました。落ち葉の積もった斜面は見惚れるような景観で腰を下ろしてしばらくその風光を楽しみました。数を稼ぐような登山が世を席巻していますができるだけこんな心豊かな山歩きを続けたいものです。
帰路は鳩の峰まで往路を戻りました。鳩の峰の登り返しはけっこうきつい登りですが花々に励まされて苦にはなりません。
稜線からの下山は塩坂峠を経由せずに直接下る道があって最近整備されましたのでそちらをとりましたが、近道かと思っていたら高速道路脇に出てから熊野神社まで戻るのがやっかいで、むしろ塩坂峠まで回って往路をそのまま下山した方が楽だったようです。とはいえ、谷沿いにニリンソウの群落があってこちらはこちらでまた楽しい道ではありました。

2020年4月19日
一気に春が来て一斉に開花:
ヤマツツジ

熊野神社を出発して塩坂峠道にさしかかったところなんと前夜の雨で道がほぼ沢状態。それも昨年の水害のせいですっかり道の中央部が抉られているものですからたぶん雨の度にこんなありさまになっているようです。
最後に道がジグザグになってやっと本来の登山道になりました。
峠からまずは北へ尾根伝いに100mほど歩いて露岩尾根まで。ここは足利の街が一望できその先には秩父の山や富士山などを眺めることができる絶好の展望台です。
「富士見山」とかかれた手作りの山名板がぶら下がっていました。あまり聞いたことのない山名ですし山頂でもないのでちょっと違和感がありますが、地元でそう呼んでいるのかもしれません。周囲にはヤマツツジ、トウゴクミツバツツジ、アオダモなどが一斉に咲いていました。本来順を追って咲くはずのこれらの花ですが今年は春が一気に駆け足でやってきたので順序も無視して一斉に開花しています。

     露岩尾根から足利方面

      富士山遠望
花を楽しみながら周回:鳩の峰:
鳩の峰山頂

塩坂峠に戻り鳩の峰までツツジの尾根を登ります。はじめはヤマツツジ、鳩の峰が近くなるとトウゴクミツバツツジが満開で普段は取り立てて見るべきものの少ない山域ですがこの季節だけは賑やかです。
さらに鳩の峰を越えて急な尾根道を少し下るとそこにはミツバツツジの群落が待っています。こんな近所の里山でツツジに囲まれてシアワセです。
登り返しがたいへんなのでそこそこで鳩の峰に戻って今日初めての大休止。頂上には鳩峰山神社の社殿跡に小さな石祠があります。以前は立派な社殿がありましたがすでに倒壊して残骸が周囲に積まれています。背後には石祠に比べて立派すぎる寄進者の記念碑が建っていてかつての隆盛が偲ばれます。
頂上からは赤見の里を眼下に見おろすことができます。以前はほぼ360°の展望が得られたのですが最近では周囲の樹木が生長してやや樹間の眺めになっています。

消えた秘密のニリンソウ群落:
イチリンソウ 花弁(じつは萼片)は5枚だったり6枚だったり
 

鳩の峰から塩坂峠方向に少し下ったところから熊野神社と雷電神社を指し示す案内に導かれて尾根から分かれます。杉林の中をジグザグに付けられた道を一気に下りますがかつて整備されたこともある道も今は荒れ気味で杉の枝が積もっています。(杉は落葉しない代わりに春先に小枝を落とすらしいです。)
沢に下り立ち踏み跡はそのまま沢伝いに続いているのですが何カ所かある丸太橋は危なっかしくて使えません。沢を飛び越えたりしながらなんとか沢を下ります。沢を離れて道形がしっかりするあたりにニリンソウの大きな群落があったはずで、そのためにやってきたのですがときおりひょろひょろと単独のニリンソウを見かけるばかりです。どうやら昨年の台風19号で流されてしまったのかもしれません。残念至極ですがほんのわずかですが生き延びたニリンソウもあるのでまたいつか群落となるのを待つしかありません。
がっかりしながら里道に変わったあたりのニリンソウやムラサキケマンなどカメラに収めていたら異常に大きなニリンソウのような花が群れ咲いているのに気づきました。でもニリンソウの倍以上の花径の花でどうやらこれはイチリンソウのようです。初めてお目にかかりましたがこんなところにとびっくりです。純白の大輪の花は魅力的です。目的のニリンソウはやや空振りでしたが新たにイチリンソウに出会えて大収穫と言ったところです。
塩坂峠 鳩の峰の花(名前はちょっとあやしい(^_^; )

  アオダモ

  ヒメハギ

  チチブシロガネソウ

  イチリンソウ

  トウゴクミツバツツジ

  ムラサキケマン

  シロヤマフジ

  ニリンソウ

  ツクバキンモンソウ

  ヤマブキ

  ジロボウエンゴサク

  ヤマツツジ
【便利帳】 トイレ:国道293越床トンネルの足利側400mにトイレ併設の休憩所があります
コンビニ:国道293越床トンネルの佐野側1.5km
【収穫】(^_^; 2017-4-23 22片 20g
2020-4-19 5片 20g