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多高山(608m) 飛駒の里から見上げると羽を広げた鷲のよう


田沼町・飛駒の盆地から鷲が羽を大きく広げたような立派な姿で見上げられる多高山。多少とも山歩きをする者なら登高欲をそそられる独立峰です。登ってみると数十分もあれば頂上に達する上、とりわけなんということもない平凡な山ですが、近くに住む私たちにはちょっと空いた時間で行って来られる親しい山です。
山中には石祠が多くここがかつて信仰の山だったことが窺い知れます。
ガイドブックなどでは「たこうざん」としていますし、直下のゴルフ場も「多幸コース」としていますが、地元では「たこやま」といって親しまれています。

【日程】 2001年4月8日
【山域】 安蘇
【天候】
【地図】 1/25000番場
【アクセス】 田沼町からは田沼梅田線で、足利からは須花トンネル経由で飛駒へ。
飛駒からは番場で桐生梅田方面に左折します。ゴルフ場を左右に見ながら進むとやがて老越路峠。
【駐車地】 峠付近の路肩広場。
【コース】 田沼町飛駒=老越路峠−多高山
     登り45分 下り30分


 多高山頂上

【メモ】 ちょっと寄り道してカタクリやアマナの花を探勝:
私たちはカタクリの花を見ようと途中田沼町閑馬を回ったので田沼町からのアプローチとなりました。
カタクリはすでに盛りを過ぎていましたが(前週日曜日に下見に行ったときすでに花盛りでした。)、代わりにアマナがきれいでした。

古い峠:
登山口石仏群

飛駒から桐生・梅田に向かう山越え道路に入りしばらく山道を走ると老越路峠(おいのこうじとうげ)です。
大きな石碑があるこの峠は古くは根本山神社への登山口の一つだったと言うことです。この近辺ではあちこちが根本山神社への登山経路だったようで、昔の人の足というのは現代人から見ると超人的です。どうやってここから根本山まで行ったのだ。(もっとも我々の考える尾根道とは別に中腹に水平道が通じていたようですが。)
ここは右に進むと梅田湖、左に進むと松田ダムや名草巨石群、さらに左に戻るように林道まで分かれていてけっこう行き交う車も多いようです。
峠周辺は道路整備のとばっちりで登山道が消滅して入山点が分からなくなってしまいました。
法面上部のフェンスの脇を登るのが正解。フェンスが終わるところに石祠群がありそこから一直線の登山道が頂上を目指しています。これより10m程手前にも左に登る道がありますがいずれにしろすぐに合流します。

一気に這い登る登山道:
いきなりの急登。全くゆるむことなく頂上まで一本調子の登りです。
頂上の防災アンテナ監視のためか階段ができたので以前のようにずり落ちることはありませんが、それにしても強引な登山道でひたすら最短で登ろうという強固な意志で造った様です。(^^;
やがて視界が開けると飛駒を取り巻く山々や足利北部の赤雪山、名草川源流尾根などが展望できます。
足下にはいろいろなスミレが咲き始めていました。

花もまばらなアカヤシオ
(拡大できません)
急登から開放されると小広い頂上:
尾根状の道になるとほどなく頂上です。嬉しいことに左手の北西斜面にはアカヤシオの花がちょうど見頃。
ただし、今年の花付きはとても貧弱で数年に一度の豪華な花を楽しめた昨年のツケでしょう、まばらにヒラヒラ揺れているのみです。
頂上は石祠の前が芝草となっていてゆっくりお昼を楽しむにはもってこいです。
頂上には防災用アンテナが建っています。以前あった中継所は撤去されカヤトの平地になっていました。送電電柱はまだ残っていましたがそれにピンクのペンキでデカデカと落書き。大ばかもの!


さらに右に下ると展望棚:
頂上から右に方向を変えてわずか下ると展望棚があります。飛駒の盆地が目の下に拡がっています。ゴルフ場がちょっと目障りですが、飛駒の里が箱庭のようです。
頂上に戻って山行時間より遙かに長いお昼にしました。例によって何しに来たかと思えるほどのごちそうにおいしいワイン、さらに程良い陽ざしの中でお昼寝タイム、山でのんびり時間を過ごすには一番いい季節です。

うるさいビニルははずしながら下山:
付けた本人はみんなの役に立とうと嬉々としてやったのでしょうが必要以上に付けられたビニル袋があまりに目障りなのではずしながら下山しました。この山に道案内など不要です。山の動物が口にして命を落とすと言うことですから最小限にとどめるべきでしょう。
ちなみにかつて立木に縛り付けられていた頂上のブリキ山名板は整理されていました。(かつてこの山域を意欲的に歩き回った某大ワンゲルがあちこちに残したブリキ山名板は針金でぐるぐる巻きにしたり釘で打ち付けたり、それは不作法でした。)