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社山(1827m) 中禅寺湖南岸の展望峰
中宮祠あたりから中禅寺湖南岸にかわいいとんがりピークを認めることができますが、これが社山です。緑深い日光の山と荒々しい足尾の山とを二つ分けにするこの山はこの立地そのままに2つの魅力を併せ持っています。
昔、山歩きを始めて最初に手にしたガイドブック「渡良瀬源流の山」(小野尚俊著 朋文堂 昭和35年)の一文を目にして以来、行こう行こうと思いながら今となってしまいましたが、紅葉も終わりかけた秋の一日、展望の尾根と湖岸の静かな道を楽しんできました。
【日程】 1999年11月7日
【山域】 前日光
【天候】
【地図】 1/25000中禅寺湖
【アクセス】 国道122号を足尾経由で細尾越え、日光清滝。いろは坂から中禅寺湖、立木観音。
【駐車地】 立木観音駐車場よりさらに先にもう一つ駐車場があります。この駐車場から石垣を下りれば湖岸の道です。
【コース】 駐車場 - 狸窪 - 阿世潟 - 阿世潟峠 - 社山 (往復)
実行程約5時間強 一般向き

  阿世潟・落ち葉の林
  湖岸秋色

【メモ】 アクセス:
日光は渋滞を考えるだけで足が遠のいてしまいますが、国道122号足尾経由ならいろは坂下の馬返しまでスイスイ、あっという間です。いろは坂を登り中禅寺湖に達するとかなりの急峻さで頭をもたげる社山が迎えてくれます。
駐車場が立木観音脇とさらにその500m程奥にあります。阿世潟への道はその奥の駐車場の手前を右に狭い舗装道に入っていくのですが、この道、(進入禁止らしいですが)車で入れないこともありません。ですが、対向車があると難儀しますし駐車地にも困りますのでむしろ歩いた方がいいようです。この湖岸の道は湖の景色を眺めながら、また美しい林相を味わいながらかさこそ落ち葉を踏んでのんびり歩く方がどれだけ楽しいかしれません。

峠への道は気分の良い散歩道:
阿世潟から峠までは整備が行き届いて歩きやすく、落ち葉を敷きつめた緩い斜面のじつに気分の良い道です。最後の急登をこなすと20分ほどで峠に達します。東に10mほど登ってみると足尾側の展望が大きく広がっていました。荒涼とした岩肌を想像していましたが以外に樹木が茂ってきている感じです。最後の紅葉が鮮やかでした。
北を見返せば中禅寺湖が眼下に広がり、西を見上げれば社山は見えないもののこれからたどる笹尾根がかなりの高度感で続いています。

展望尾根:
社山までは急登が続きますが、徐々に変化していく戦場ヶ原の広がりや中禅寺湖の姿に気を取られてさほど疲れを覚えることもありません。男体山は頂稜部に雲が懸かっていましたが、日光白根山はさすがこの山塊の盟主、陽を浴びて高く高く聳えています。湯滝と竜頭の滝を遠くに同時に見られるのもこの山ならです。また足尾側の景観も素晴らしく、備前楯山が意外に立派でした。
足尾側はカラマツ植林帯とダケカンバなどの広葉樹疎林をびっしりスズダケとミヤコザサが埋めていて、一方日光側はブナ、ミズナラなど多くの樹種の広葉樹林からやがて頂上に近づくととコメツガ、シャクナゲの樹林と変化してまるで森の見本のようです。
シャクナゲ開花期はさらに楽しい道になるはずです。(ちょっと花芽が少ないようでした。)

社山頂上:
頂上は黒木の中で寂しく山名板があるばかりですが、わずか先に進むと大きく展望が広がっています。風が吹き付けてガスも出てきたので北側の樹林の中に逃げ込んで昼食としました。
樹林の中は鹿の糞がそこここに散らばって、鹿の棲息の密度が相当に濃いことがわかります。

帰路はのんびり散歩気分:
往路をそのまま戻りましたが下山コースも下山後の湖岸の道も最後の紅葉が美しくはらはら散る落ち葉を受けてあるいはふかふかに積もった落ち葉の絨毯を蹴散らして、散歩気分でのんびり歩きました。
【便利帳】 トイレ:阿世潟旧キャンプ場に仮トイレ