目次
仙人ヶ岳662.9(松田湖から直登) 松田湖から直登してタカノス沢に下る 

仙人ヶ岳と猪子峠を結ぶ尾根を松田ダムから見るとほとんど頭上を見上げるほどに急峻で、伐採地のため岩が剥き出しとなってなかなかの迫力です。直登したらきっと爽快だろうなと前々から思っていましたが、冬晴れを狙ってルート調査でもと思って出かけました。歩いてみると、どんなことにも先人というのはいるもので、ちゃんと道形もあり、おまけに手作りのステンレス製案内標識まで作られていました。尾根までの道はさほど魅力あるものではありませんでしたが、エスケープルートとして使えるし、また仙人ヶ岳〜赤雪山縦走でダムからの周回が容易になる点で有用なルートかと思います。
下山は熊の分岐のやや南東から派生する尾根を通ってタカノス沢に下り野山林道に出ました。こちらはテープはあるものの途中で道を失い植林地を強引に下るハメになりました。

【日程】 2003年1月18日
【山域】 安蘇
【天候】
【地図】 1/25000番場
【アクセス】 足利・葉鹿町から松田ダム方向へ
ダムを見上げるようになったら右折して林道に入り300mほどで今度は左折すればダム湖畔
【駐車地】 松田湖畔、キャンプ場に大駐車場。満車なら少し戻って赤雪山登山口に大駐車場。
【コース】 キャンプ場−ブルドーザ道−登山口−作業道−小尾根−展望ピーク−熊の分岐−仙人が岳−熊の分岐−下降点−タカノス沢−野山林道−キャンプ場
実行程約2.5時間 ベテラン向き
      入山点から縦走路を見上げる

【メモ】 静かな松田湖:
松田湖キャンプ場は冬季閉鎖となります。春秋はバーベキュウを楽しむグループや家族連れでにぎやかですが、この季節は静かなものです。時たまドライブに来る車もダム湖を眺めるとさっさと下っていきます。
見上げる尾根はほとんど頭上、果たして這い上がれるものかあまり自信もないままキャンプ場を出発しました。キャンプ場を通り抜けて小沢に沿った道を進むとブルドーザでかっ削ったままの荒れた林道が右斜面に上がって行きます。心づもりとしてはやみくもにとにかく直登、というものでしたが小沢がイバラに覆われていたためにのっけから気力ダウン、安易な方の道を取りました。道は不安な方向に曲がったりしますが結局キャンプ場から見上げた伐採地のはじっこに飛び出しました。林道終点はけっこう眺めも良く、前方に広がる伐採地と見上げる尾根筋が登高欲をそそります。ところが、ここに、なんと道標が。いきなり新コース開拓の目論見消滅。何事にも先人というのはいるものです。それと、物好きも。(^_^;

伐採地を急登:
登路の作業道から松田湖を見下ろす
ルートは乾ききった作業道をたどりますが、とても急峻で乾燥が激しいせいか所々崩れかけていますしイバラも生えています。しかし尾根に取り付くには効率も良いし、振り返る松田湖の展望も苦しさを紛らわせてくれます。やがて枝尾根の鞍部に登り着くとそこに手作りのステンレス製案内標識がありました。標識に従って尾根を左に取ると、小さな登降を繰り返して15分ほどで主尾根に出ることができます。この枝尾根は硬い岩が所々に頭を出したいかにも安蘇の山らしい雰囲気ですが、右手の斜面が大規模な伐採の最中でほどなく丸坊主になるはずです。
主尾根に出たところはコース一番の展望地で、ここにも先ほどと同じ標識があります。エスケープルートとして逆方向に松田湖に駆け下ろうとするときには大事な標識になるはずです。
ここまで1時間ちょっと。

あとはいつもの道で頂上まで:
この主尾根は仙人ヶ岳〜猪子峠の気持ちの良いルートで仙人ヶ岳の人気の一つの理由となっています。
熊の分岐で左から岩切からの道を併せ、程なく頂上の手前で赤雪山からの道を右に見ると一投足で頂上。北側に木の間越しの展望が開け、日光、足尾、安蘇山群、赤城を見通すことができます。南斜面はのどかな雑木林が広がり昼寝の場所を提供していますが、今日はまだ不確かなルートが残っているためほんの一休みでとって返しました。

踏み跡をたどってタカノス沢へ一気に:
タカノス沢源頭

登りの時、尾根の途中で松田川の方向に向かって枝尾根を下る踏み跡に気づいていましたのでそちらを降りてみることにしました。熊の分岐から少し尾根を進んだ地点です。物好きが結んでくれたピンクテープがあるのでちょっと注意していれば、ポイントは判るはずです。このコースならば松田ダムを起点に最短周回コースがとれる、と言うわけです。
テープはあるもののいきなり藪っぽい薄い踏み跡となって、先が不安なスタートです。しばらくは尾根を忠実にたどればいいのですが、登り返しになったあたりで尾根通しは藪で難しくなります。いい具合に右に植林地の中の作業道の痕跡がありますのでここをトラバース気味にたどります。だんだん踏み跡も怪しくなる頃、緩やかに小尾根を乗り越しますから、ここを越えたら右に下降を始めればいいようです。
私はさらにしばらく進んでにっちもさっちもいかなくなってから下降したので、植林地の中を無理矢理歩くことになりましたが、沢が現れた地点で小尾根の左を降りてくる踏み跡に出会いました。どうやらこちらが正解だったようです。
この沢がタカノス沢の源頭で、程なくしっかりした道が現れますが、倒木があったり道形が崩れて沢に降りさせられたりでなかなか歩も進みません。
やがて、突然、林道終点に飛び出しますが、そこが先ほど登路のそばの大規模伐採の作業基地で、丸太に道をふさがれ、これを越えるのにまた一苦労。まあ、これは伐採が終わるまでの一時的なものでしょうが。

乱暴きわまりない伐採と砂防ダム工事:
この伐採道はあろうことか沢をブルドーザで広げて搬出道路としている乱暴きわまりないもので、濁った沢水がすぐ下流の砂防ダムへ流れていきます。
おまけにその向かいで行われている新しい砂防ダム工事も辺り一帯を丸裸にして濁った水を下流の砂防ダムへと流していますので、言ってみれば砂防ダムを埋めながら上流に砂防ダムを造っているような工法で、これではいくつダムを作っても足らないや。(^_^; 最近の堰堤はコンクリート壁に板や丸太材やを貼り付けて環境にマッチさせているようですが、そんな見てくれをどうこうするよりこっちの方が問題ですね。
と、まあ、周回コースはとれたものの、最後はあまりいい気分になれないまま野山林道をトボトボとたどりました。(また、この林道が不法投棄のゴミの山!(;_;) )
【便利帳】 トイレ:松田湖キャンプ場
    冬季は閉鎖となり水洗トイレは使用できません。代わりにプレハブトイレが設置されます。
水場:入山点、下山点とも沢なので不便はありませんが、あまりきれいとは言えません。
【収穫】
(^^;
ほんの60g、34片。
人の歩かないところですし。もっとも林道の不法投棄ゴミは無視。これに手を出したら100kgくらいはあっという間ですから。(^^;