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 鞍掛山492.4m

ずり落ちそうな急登で登りついた稜線はその名の通りなだらかな雑木の尾根 
男体颪を遮る屏風のように宇都宮北西にそびえる古賀志山の山塊は主峰古賀志山から尾根を北に走らせ、さらにその先でまた東よりに向きを変え、鞍の形そのままの鞍掛山まで延びています。鞍掛山は山塊のしんがりというわけです。もっともいったん高度を落としてからも半蔵山や男抱山などいくつかの高みをもたげていて、このあたりを歩いてみると「山」の印象の薄い宇都宮市が意外に多くの山を抱えていることに気づきます。
冬の一日、展望を求めて男抱山と併せて歩きました。
【日程】 2005年2月6日
【山域】 宇都宮
【天候】
【地図】 1/25000大谷
【アクセス】 国道293号で鹿沼から宇都宮に入り、多気山を過ぎて約3kmほどの交差点を左折(西進)して山にかかると射撃場を右に見ます。さらにY分岐を左にとり、右上にゴルフ場を見るとほどなく鞍掛山神社の鳥居があり、ここが登山口です。
【駐車地】 駐車場はありませんし、路肩も数台がやっとです。林道を先に進んでも駐車地はほとんどありません。
むしろ、鳥居の手前で左に分岐する林道の先の方が停めやすいかもしれません。
【コース】 登山口 - 鞍掛山神社入り口 − 分岐 − 鎖の急登 − 奥の院 − 鞍掛山頂上 − 大岩 − 分岐 − 鞍掛山神社 − 登山口
実行程約3時間 一般向き

    大岩から鞍掛山頂上を見る

【メモ】 駐車地に困る林道:
先客の数台の車で登山口周辺の路肩はもう停める余地はなくなっていました。かなり先までうろうろしたあげく諦めて、分岐まで戻って別の方向に分かれる道に停めることができました。
鳥居のある登山口から小沢沿いに進むと、気分の良い植林地を緩やかに登っていきますが、鞍掛神社入り口の先の分岐(どちらも頂上への道ですが、私たちは左をとりました。)を過ぎると突然急登となります。やがてフェンス状の鎖が現れてくるとさらに急になって鎖の助けなしにはとても登れません。岩場の急登なら手がかりもあるのですが、ここは鎖以外には掴む手だてもありません。とてつもない急登なので効率の良いこと、あっという間に高度を上げます。

稜線は静かな平坦尾根:
鎖場はかなり続きますが、それも急登のままひょいと稜線に飛び出します。左が小高くなって、そこに鞍掛神社奥の院が鎮座しています。
展望は木の間越となります。多少雪も残って、同じ栃木県でも県央の山では私たちの地元の安蘇南縁の山とはやはり様子が違います。
雑木の尾根を進むとゆったりした高みとなって、鞍掛山頂上。表日光、高原山などの展望はここも残念ながら木の間越となります。位置としては絶好なのですが、なんとも残念です。ほかにあまり特徴のない頂上ですので、休憩はさらに先に進んで大岩がよいようです。。

大岩からの展望がこの山の魅力:
頂上からだらだら下り気味に進むと眼前に大岩が現れ、これに登ると岩棚の上から大きな展望が得られます。
やはり眼前の古賀志山がなかなか立派です。その古賀志連山の右端に鋭いピークが目を引きます。地元ハイカーにお聞きしたら浅砥山(山名はちょっと不確か)ということでした。登山道もあるということなのでいずれ頂上に立ちたいものです。
北には高原山が白く輝いています。また南東方向は宇都宮方面の平野部の眺めが広がります。
岩の上は風が冷たいので一段下がった樹下で休憩としました。

不思議な鞍掛山神社:
鞍掛山神社
頂上からは一気に下降して小尾根を進み、さらにその尾根を右手にはずれると気分の良い落葉樹の斜面となります。植生としてはこのあたりがもっとも豊かで、新緑の頃に訪れたい場所です。
やがて、覚えのある分岐で登路と一緒になり、すぐに左手に鞍掛山神社への道を見ます。神社は小沢の先すぐですが、社もなくどうやら小さな洞窟そのものが神社のようです。洞窟から一本の木が伸びていてその奥に神体が祀られています。なんとも不思議な神社です。右手に滝と称する岩壁があり、ちょろちょろとわずかな流れが落ちていますが、大雨のあとなら滝になるのでしょうか。辺り一帯はちょっと特異な雰囲気で、昔の人たちが神社を祀る気持ちになったのも頷けます。

下山はいい気分からがっかり:
神社からの下山はきれいな檜林の中の道で、下草もすくなくきれいさっぱりした林床はふかふかでどこを歩いてもかまわず、気分良く歩けます。登山口まではあっという間。
ところがせっかく気分良く歩いてきたというのに、林道に出ると不法投棄のゴミの山にがっかり。大型の家庭ゴミからとても個人の行為とは思えない産廃まで、まるでありとあらゆるゴミの展示場みたいなありさまです。宇都宮という大きな地方都市の周辺で平地林があって林道があって、それは恰好のゴミ捨て場となるのは当然のことなのでしょうか。
おまけに捨てられた猟犬までいて、悲しい気分で締めくくることになってしまいました。次の猟期まで餌代がかかるので老犬は猟期の最後に捨てて来るのだという噂話を聞いたことがあります。本当だとしたらひどい話ですが今は猟師の時代とは違っていますので一部にそのくらいのことをする人もいるのでしょうか。子供が捨て犬を拾ってくるみたいにつれて帰るわけにもいかず、こっちまで残酷な気分にさせられてしまったじゃないか。プン。
【便利帳】 トイレ:山中にはなし。ろまんちっく村で済ましておくことをお勧めします。
コンビニ:鹿沼方面から来れば田野町に。
【収穫】(^_^; 28片 280g 林道はゴミの山ですが、山中はきれいでした。
【寄り道】
大谷の自然の岩
大谷は平和観音を中心に大谷石の露岩があちこちににょきにょきと顔を出している特異な景観が見事です。
かつてよく知られた観光地でしたが最近はあまり聞かないなぁ。
あちこちに大谷石の採掘跡があって、かつての隆盛を思い起こさせます。
でも、採掘されずに残った岩山も多く、ハイカーの目で改めて見ると、この地形ってすごいですよね。